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ワインコラム Archive
ワインコラム 第98回 オーストラリアの話 ピエロ編
- 2012-05-13 (日)
- ワインコラム
ワインも同様で、ふとした瞬間に思いだし、また飲みたいな、という衝動に駆られるワインがあります。
訪問したワイン産地の中で、オーストラリアAustraliaの各地はそれぞれ印象深く、同時に非常に魅力的なワインも少なからずありました。
今回は、そのような魅力的なワインを産する、西オーストラリア州、マーガレット・リヴァーMagaret River地区のワイナリー、ピエロPierroをご紹介いたします。
西オーストラリア州を回ったお話はこのワインコラム第24回に綴ってあります。西オーストラリア州の雰囲気などは第24回のコラムをご覧ください。ピエロについても少し触れております。
さて、ピエロですが、1980年に、知的なマイケル・ペターキン氏が創立した、マーガレット・リヴァーを代表するワイナリーのひとつです。覚えやすい名前、印象的なラベルは、ペターキン氏が銀行に融資を申し込みに行った時の行員の困った顔がモデルと言われています。医師であるペターキン氏から突然このような相談を受け、困る行員の気持ちもわかる気がします...(笑)
ワインは、複数のキュヴェを造っています。特にシャルドネの評価が高いことで知られています。
私が訪問したのは2008年の2月上旬。畑には収穫を迎えるぶどうが健全に実っていました。
海から3kmほどの場所に位置するこのワイナリーでは、シャルドネの他にセミヨン、ソーヴィニヨン・ブラン、カベルネ・ソーヴィニヨン、メルロ、シラーズ、ピノ・ノワール等が栽培されています。
ピエロのピノ・ノワール
海洋性の、ボルドーに近いと言われる気候のもと、ピノ・ノワールを栽培しているワイナリーは多くありません。この辺りで、ピノ・ノワールで有名なのは、やや南に下った産地、ペンバートンPembertonのピカーディPicardyくらいでしょうか。
ピカーディもピエロも、ブルゴーニュとは異なるスタイルですが、上質なピノ・ノワールを造っています。
ぶどう栽培はうねりのある丘陵地で行われ、灌漑をするにも考え抜かれた独自の技術を取り入れています。醸造は、例えばシャルドネの熟成にバトナージュを行うなど、ブルゴーニュ風の様式も取り入れています。
醸造所内部の様子
このワイナリーは、ファイアー・ガリー・ヴィンヤードFire Gully Vineyardのぶどうから造るワインを、Fire Gullyとしてピエロとは別ブランドで販売しています。ラベルにはファイアー・ガリーを表す「火谷」と漢字で書かれています。これは、太極拳を行っているペターキン氏のアイデアだとか。
素晴らしいワインを生みだすオーストラリア。その最西端に位置するピエロのワイン、一度試す価値があると思います!
Clos Yは、5月16日のレストラン講座のテーマを「半年に一度の豪華版」とし、上質なワインと料理のマリアージュをお楽しみ頂きます。希少なピエロのピノ・ノワールも登場します!ご興味のある方はご連絡ください。
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ワインコラム 第97回 レストラン講座の話
- 2012-03-31 (土)
- ワインコラム
レストラン講座とは、テーマのワインを、それに合わせた料理と共に講師の解説付きで楽しむことができる、ワインの勉強と楽しみを同時に体験して頂ける講座です。
参加者はレストラン講座に参加すると、テーマのワインについて学ぶことが出来、またワインと料理のマリアージュもお楽しみ頂けることになります。
今回は、そんなレストラン講座がどのように組み立てられているのか、その裏側をご紹介したいと思います。
まずはワインのテーマを決めることから始まります。毎月第3水曜日の20時から、池袋のオザミ・サンカントヌフにて行われる「世界の銘醸地を巡る!」を例にしたいと思います。この講座はその名の通り、世界のワイン銘醸地がテーマになっております。
1年分、つまり12回分のテーマを決めるにあたり、まずはボルドー、ブルゴーニュなど、外すことのできない人気の産地をテーマとして決定します。残りは、スペインなど今勢いのある産地や、イギリスなど認知度は低いものの要注目の産地を取り上げます。
その後、季節に合わせてテーマを割り振ります。例えば、ボルドーやローヌのように重厚な赤ワインが中心となる産地は冬季に、シャンパーニュやロワールなど軽快な白ワインが中心となる産地は夏季に持って行きます。
テーマが決まったら、具体的にワインの選定に入ります。これは正直、楽しくも難しい作業です。例えばひと口にボルドーと言っても、上質な白ワインもあればメルロ主体の赤ワインもあり、カベルネ主体の赤ワインもあります。比較対照するのであれば、例えばメドック地区のカベルネ主体の赤ワインばかりを用意すればワインの比較は面白いでしょうが、食事と合わせることも考えると同じタイプのワインばかり揃えても食事の流れがうまくいかなくなってしまいます。結果として、食事を通すバランスが良く、かつ有意義な比較対照ができる構成にならなければなりません。
例えば2012年1月のボルドーがテーマの講座では、以下のようなワインを用意いたしました。
2004 Pessac-Léognan Blanc Ch. Latour Martillac
1995 Pessac-Léognan Blanc Ch. Latour Martillac
2006 Haut-Médoc Ch. Belgrave
2006 Haut-Médoc Ch. Cantemerle
2005 Berry’s Sauternes 375ml Ch. Doisy-Védrine
造り手は全てグラン・クリュで、水平(同じヴィンテージで、異なるワインを比較すること)、垂直(異なるヴィンテージで、同じ銘柄のワインを比較すること)を織り交ぜた内容です。
ワインが決まったら、ワインをどのような順番で、どのような料理と合わせるかを考えます。通常は泡、白、赤、甘口という流れになりますが、ワインの質とそれに合わせる料理を考えると必ずしもそのようにはなりません。
この例の場合、私が悩んだのは1995年のペサック・レオニャンの白ワインです。2006年の2つの赤ワインより、熟成したこの白ワインのほうが風味が強いのではないか...特にシャトー・ラトゥール・マルティヤックはボルドー地方の辛口白ワインとして高い評価を確立しています。レストラン講座の舞台はレストランです。料理は会場となるレストランの料理人の方々が作ってくださいますので、最終的には料理長と相談しながら料理を決めて行くことになります。
以下、実際に交わされた会話の一部をご紹介いたします。
中西「今回の講座のテーマはボルドーです。ワインはこの銘柄で(と言ってワイン・リストを料理長に差し出す。オザミ・サンカントヌフの杉原料理長はソムリエの資格を持っていらっしゃるので、話が早いです!)行きたいと思っています。」
料理長「今回はボルドーですか。料理はどうしましょうか?」
中西「そうですね。今回は赤が2006のオー・メドックが2種類あるのですが、メインは、シャトー・ベルグラーヴに合わせてアントルコート・ボルドレーズ(ボルドー風の牛ステーキ)にして頂きたいと思っております。悩んでいるのが、1995のラトゥール・マルティヤックの白とカントメルルの順番です。95のラトゥール・マルティヤックを最初に冷前菜と合わせるよりも、温前菜のほうに持ってきて、比較的メルロの割合が高くて柔らかいカントメルルを最初に何か肉系の冷前菜と合わせたほうが面白いかな、と思うのですが...」
料理長「ベルグラーヴとアントルコート・ボルドレーズですね。合うでしょうね。あとはどうしましょうか。最初にカントメルルと肉系の冷前菜で、次に魚系の温前菜にしましょうか?」
中西「...はい。(少し考えて)例えば、白に合わせてグラティネ(オニオン・グラタン・スープ)など出来ますでしょうか?(1月は寒いですし)温かい料理で、魚系も良いですが、香ばしい風味があるとワインとも相性が良いかな、と思います。」
料理長「グラティネですね。トリップ(牛の内臓ハチノス)入りで行きますか?」
中西「良いですね!ありがとうございます。では温前菜はラトゥール・マルティヤック白95と、トリップ入りグラティネで。あとはプルミエ(最初の冷前菜のこと)ですね。例えばパテですとか、肉系の冷前菜で...」
料理長「カントメルルとですね。メルロが多くて柔らかいのですよね?パテもありますけど、仔牛で作ったフロマージュ・ド・テット(通常は豚肉で作る、ゼラチン質の豚頭肉のゼリー寄せ)はどうですか?フォワ・グラのソースを添えて。」
中西「ありがとうございます!ではそれで、お願いします!」
...といった具合です。今回はカベルネ主体で力強いシャトー・ベルグラーヴをアントルコート・ボルドレーズで、というのが私の中でほぼ確定しており、まずメインから決まりましたが、料理の相談は毎回様々です。すんなり決まることもあれば、一度の話し合いで決まらずあれこれ考えることもあります。しかし料理が決まる瞬間は、興奮させられる時があります。例えば、私ひとりでは、仔牛を使ったフロマージュ・ド・テットなんてまず思い浮かびませんから!
ワインと料理の組み合わせで心を砕くことは、大きく以下の3つです。
1、ワインと合わせる食材
2、食材の調理法
3、ソース、付け合わせ
他にも気をつけるべきことはありますが、絶対に外せない点です。
さて、実際にレストラン講座が始まると、料理はプロに任せて、私はワインの状態の管理に気をつけます。どのワインにどのグラスを使うか、提供するワインの温度、デカンタージュの有無...グラスは事前に決めておきますので、当日は特に刻々と変化するワインの温度管理に細心の注意を払います。
レストラン講座ではもはや手に入らないワインをご紹介することも多いので、事前に料理長とワインのテイスティングを行うことはありません。当日、場合によっては試飲して頂くこともありますが、試飲の結果急きょソースを変更した、ということも過去に1、2度ありました。
いろいろ書きましたが、レストラン講座に限らず、私が一番伝えたいことは「ワインの魅力」です。嗜好品としての性質も持つワイン、100人中100人に満足して頂くことは難しいかもしれませんが、好みで無いワインにも、造り手の情熱が込められていて、生まれ育った風土を反映した物語があることを楽しんでいただければこの上ない喜びです。
この場を借りて、お忙しい中料理の相談に応じてくださる料理長、また実際に調理を担当してくださっている全ての料理人の方々、円滑に進めてくださるサービスの方々に感謝申し上げます。
毎回が一期一会のレストラン講座です。ご興味のあるテーマがございましたら是非ご参加ください!
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ワインコラム 第96回 アルザス地方の話 ポール・ブランク編
- 2012-03-20 (火)
- ワインコラム
コルマールの北西10kmほどのキーンツハイムKienzheim村に居を構えるこの造り手は、20世紀初頭から家族経営でワインを造り続けています。
案内してくださったのは長身のフィリップ・ブランクさん。優しい笑みをたたえる温かい人柄の方ですが、ワインについて語り出すと止まらない!情熱を持った方です。
アルザス地方に限った事ではありませんが、ワイン造りに最も重要なのは上質なぶどうであり、そのために重要なのは良い畑です。土壌の構成、傾斜、斜面の向きなど、良い畑のための条件はいろいろあります。
アルザス地方では、スティル・ワインに2つのA.O.C.があります。アルザスAlsace A.C.とアルザス・グラン・クリュAlsace Grand Cru A.C.です。グラン・クリュに指定されている畑は2012年現在51あり、その限られた条件の良い畑のぶどうから造られたワインのみ、アルザス・グラン・クリュを名乗ることができます。
ブランクさんに畑まで連れて行っていただきました。キーンツハイム村の北の斜面には、2つのグラン・クリュがあります。
まずはシュロスベルグSchlossberg。アルザスで最も有名なグラン・クリュのひとつと言えるでしょう。私は個人的にシュロスベルグのリースリングRieslingが大好きです。一般的なアルザス・リースリングに比べ、びしっと太いミネラルが骨格を形成していて、力強く、安定感があり、果実味と酸味が高いレヴェルでバランスを保っています。香りも強く、余韻も長い、世界中のリースリングのお手本のようなワインになります。
シュロスベルグがある丘。
シュロスベルグがある丘から、谷を越えて、隣の丘にはフルシュテンタムFurstentumがあります。先ほどのシュロスベルグが花崗岩土壌、真南向きの畑であるのに対し、フルシュテンタムは泥灰、砂岩、石灰質土壌で、やはり南向きの畑です。ワインは、シュロスベルグが力強く、かつ繊細なのに対し、フルシュテンタムはより力強さが強調されたスタイルに仕上がるように私は思います。
南向きのフルシュテンタム。
訪問は9月でしたが、畑には収穫間近のぶどうもあり、ぶどうを食べさせて頂きながらいろいろなお話を伺いました。
収穫間近のぶどう。
フルシュテンタムからの眺め。
話し始めると止まらないブランクさんですから、思ったより時間が過ぎ、ドメーヌに戻ってテイスティングは手早く済ませることになりました。
辛口から、収穫を遅らせた甘口まで、7種類のワインをテイスティングさせていただきましたが、いずれも素晴らしいワインでした。特に、畑名入りのキュヴェは心を打つ品質の高さでした!
いつ飲んでもおいしいアルザスのワインですが、私は何故か春になるとアルザスのワインを飲みたくなります。
春の訪れを感じながら、香り高いアルザスのワインを楽しんでみてはいかがでしょうか?
Clos Yは、4月8日のレストラン講座のテーマをアルザスとし、オステルタグ、ビネール、マルセル・ダイスなどのワインをアルザス地方の郷土料理(タルト・フランベ、シュークルートなど)とお楽しみ頂きます。ポール・ブランクの甘口ヴァンダンジュ・タルディヴも出ます!ご興味のある方はご連絡ください。
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ブルゴーニュ地方の話 ムルソー編
- 2012-03-11 (日)
- ワインコラム
ワインを大好きになったきっかけは、2000年のフランス留学時代、スーパーで買ってきたチーズとワインを何気なく一緒に食べたところ、衝撃が走るような美味しさに打たれたことです。
ワインの銘柄は覚えていませんが(チーズはブリーBrieでした。)、ワインとチーズを合わせたらおいしい、というレヴェルではなく、新しい世界が開けた、と言って過言でないほどの新しい感覚を与えられたように記憶しています。
ワインをどっぷりと好きになり、日常の興味の大半をワインが占めるようになったのは、それから1ヵ月ほど後に、ブルゴーニュの造り手を訪問したときです。
当時、私はブザンソンBesançonという町に住んでいました。フランス東部で、ブルゴーニュのディジョンDijonから電車で30分ほどのところです。ブルゴーニュまで近いので、ほとんどワインの知識もありませんでしたが、まあ行ってみようと行ってみたわけですが...
電車でボーヌBeauneに到着です。当時の私が、ボーヌの街並みをどのように感じたかは覚えていないのですが、このときのブルゴーニュ訪問でしっかりと覚えていることが2つあります。
まずは、ボーヌ市内のマルシェ・オ・ヴァンMarché aux Vinsに行ったことです。有名なオスピス・ド・ボーヌHospices de Beauneのすぐそばに位置するこの施設は、ワインの販売も行っておりますが、最大の魅力はブルゴーニュのいろいろなワインを試飲できることです。入場料を支払い、テイスティング用のタストヴァンTastevin(ワインのテイスティングに用いる、金属製の丸く、浅い道具)を貰ったら、さあ地下カーヴへ。後は中にあるワインをリスト通りに制覇していくのです!
タストヴァン
当時、私は恐らくシャンベルタンChambertin、クロ・ド・ヴージョClos de Vougeot、ロマネ・コンティRomanée-Conti、モンラシェMontrachet程度の知識しかなかったと思います。ピュリニー・モンラシェPuligny-Montrachetやシャサーニュ・モンラシェChassagne-Montrachetを見つけては、「お!あのモンラシェかな?」と思い興奮していたと思います。
ボーヌのワインなど、いろいろありましたが、やはり予備知識の無いワインが多く、でもそれも楽しく、何か一つのワインを鮮明に覚えているということはありませんが、獣っぽい感じのワインがあったなとか、とても良い経験だったと思います。
2つ目は、ムルソーMeursaultの造り手を訪問したことです。
ボーヌまで来たからには、ムルソー村まで行ってみようと、歩き出しました。
ボーヌから歩いて行くと、象徴的な教会の尖塔が目印になります。
村に着くと、ここまで来たのだから生産者を訪問したい!と思い、事前の予約無しで訪問できた、シャトー・ド・ムルソーChâteau de Meursaultを訪れました。
この造り手は、ブルゴーニュ地方では珍しく、広い庭園と美しいシャトーを所有しています。ブルゴーニュにおいてトップ・クラスのワインの造り手グループにまだ届いておりませんが、初めてワイナリーを訪問した私は多すぎるほどの刺激を受けました。特に印象的だったのが、ワインの説明をしてくれた人の熱心さで、その説明を聞くうちに、ああ、ワインは単なる飲み物ではないのだなと思いました。ワインはキリストの血、と言われますが、本当に大切にワインを育んでいます。今後はワインを1滴も残さないようにしないと、と思ったものです。
このブルゴーニュ訪問での経験が、私をどっぷりとワインの世界に惹き込みました。以来、ワイン一筋で今日に至っています。
ワインはアルコール飲料であり、嗜好品でもあります。ワインを飲んでいる場合ではない、という時もあるでしょう。
しかし、ワインは自らが生まれた土地の記憶を持ち、造り手の情熱が込められています。ワインが生まれた土地の風景を思いながら、造り手の情熱を感じながら、じっくり味わってみるのも良いかもしれませんね。
ボーヌ近郊の夕暮れ
Clos Y企画の3月23日の単発レストラン講座で、ムルソーの2大巨匠、コント・ラフォンとコシュ・デュリのワインをメゾン・ポール・ボキューズのスペシャリテと共にお楽しみ頂きます。恐らく今後二度と再現できない、ワインと料理の素晴らしいマリアージュになるでしょう。ご興味のある方はご連絡ください。
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ワインコラム 第94回 カリフォルニアの話 フラワーズ編
- 2012-03-02 (金)
- ワインコラム
そう聞いて、どのようなワインを思い浮かべますか?
アルコール度数が14.5%を超えるようなジャミーなカベルネや、酸味の穏やかな濃厚なシャルドネ、というのが一般的なイメージでしょうか。
それはそれで、ひとつの事実だと思います。そのようなワインは数多く生産されており、高い評価を得ているものもあります。
私は個人的にそのようなワインも好きですが、心を動かされるのは、カリフォルニアの中でも冷涼な地域で造られる、エレガントなタイプのワインです。
今回は、フラワーズFlowersという造り手さんをご紹介いたします。
カリフォルニアは内陸は暑く、冷たい海流が流れる海沿いは涼しくなっています。フラワーズは人気の無い山中、海岸に近い高地に居を構えています。つまり、一般的なカリフォルニアのイメージとは異なる冷涼なところです。
涼風の吹き込む醸造所。
例えば、ナパ・ヴァレーからフラワーズまで行こうとするならば、ある程度の移動を覚悟しなければなりません。私は朝にナパ・ヴァレーのセント・ヘレナSt. Helenaという町から出発したのですが、土地勘が無いことも手伝い、さんざん迷った挙句ようやくたどり着きました。特に、町から離れて、山道に入ってからはろくに道路標識も無く、行けども行けども細い山道で、悪い夢の中にいるような時間を過ごしました...
しかし、フラワーズがある近辺はとても美しいところです。標高400m前後の畑からは、辺りが一望できます。前述の通り海に近く、少し走ると真っ青な海が広がっていて、涼しい風が吹き付けてきます。
急斜面の畑。
何といってもこの造り手の代表的なワインは、キャンプ・ミーティング・リッジCamp Meeting Ridgeという畑のぶどうから造られるワインです。この畑にはシャルドネとピノ・ノワールが植えられていて、それぞれ上質な白ワイン、赤ワインが造られます。
キャンプ・ミーティング・リッジ以外の畑のぶどうからのワインもありますが、この造り手は白はシャルドネ、赤はピノ・ノワールにこだわっています。その中で異彩を放つのはピノ・ノワール、シラー、ピノ・ムニエ、シャルドネのブレンドによるペレニアルPerennialです。このようなブレンドによるワインは、世界中を見渡しても他に例が無いと思います。このワインも上質です。一度は試す価値があると言えるでしょう。
開放感のある土地に開かれた畑は、往路の困難とも相まって、別世界と言いますか、違う次元に来ているような気持ちになりました。実際、流れる空気や日差しなど、特別な環境にある土地なのだと思います。
どこか幻想的な木
フラワーズを未経験の方は、一度試されてみることをお勧めさせて頂きます。特に、カリフォルニアにありながら冷涼な、別世界的な風景を思い浮かべながら飲まれますと、更にその魅力を増すと思います!
Clos Yは、3月21日のレストラン講座のテーマを「カリフォルニア」とし、フラワーズのペレニアルを含む上質なワインをお楽しみ頂きます。ワインに合わせた一夜限りの特別料理にもご期待ください!
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ワインコラム 第93回 シャンパーニュの話 エグリ・ウーリエ編
- 2012-02-22 (水)
- ワインコラム
ある人は豊富ながらも溶け込んだなめらかなタンニンを持つ赤ワイン、と答えるかもしれませんし、ある人はとろりとするような濃厚な甘口ワイン、またある人は香り高くミネラル感が溢れる白ワインと答えるかもしれません。
偉大なワインと呼べるワインに共通しているものは、美しい色調、豊かで複雑な香り、果実味と酸味の高度なバランス、そして長い余韻でしょう。
今回は、シャンパーニュChampagne地方トップ・クラスの造り手のひとり、偉大なワインを生みだすエグリ・ウーリエEgly Ourietをご紹介いたします。
シャンパーニュ地方、モンターニュ・ド・ランスMontagne de Reims地区、グラン・クリュに指定されているアンボネイAmbonnay村に居を構えるこの造り手は、自らが栽培するぶどうからワインを造る、レコルタン・マニピュラン(R.M.)というカテゴリーに入ります。つまり、購入したぶどうからワインを造るネゴシアンではなく、ブルゴーニュ地方で言うドメーヌDomaineにあたります。
大手メゾンが豊富な資金やスケール・メリットを生かして、シャンパーニュ地方内の各地から原料ぶどうを調達し、膨大なリザーヴ・ワインを含む複雑なアッサンブラージュ(=ブレンド)により上質なシャンパーニュを造るのに対し、小規模なレコルタン・マニピュランは限られた原料(=自らが所有するぶどう畑のぶどうとリザーヴ・ワイン)からワインを造るしかありません。
「完璧主義者」と評されるエグリ・ウーリエの当主、フランシス・エグリ氏は、醸造はもちろんですが、ワインにとって一番大切な上質なぶどうを得るために厳しい畑仕事を行います。
このドメーヌには複数のキュヴェがあります。スタンダードなブリュット・トラディションBrut Traditionから、ブリュット・ロゼBrut Rosé、ピノ・ムニエPinot Meunier100%のレ・ヴィーニュ・ド・ヴリニーLes Vignes de Vrignyなど...
アンボネイは上質なピノ・ノワールで知られておりますが、ピノ・ノワール100%のブラン・ド・ノワールBlanc de Noirsや赤ワインのコトー・シャンプノワCoteaux Champenoisは、ワインが好きな方なら一度は試すべき素晴らしいワインです。
スティル・ワインとシャンパーニュを別のものとして捉える方もいらっしゃいますが、エグリ・ウーリエの一連のワインを飲むと、まさに「シャンパーニュ地方の偉大なワイン」だなと実感することでしょう。
時にはじっくりと、エグリ・ウーリエクラスの上質なシャンパーニュとゆっくりと向き合ってみるのも有意義な時間の過ごし方ではないでしょうか。
ラタフィアも造っています。
Clos Yは、3月4日のレストラン講座のテーマを「マイナー品種の実力」とし、世界の様々なぶどう品種の上質なワインを、それに合わせた料理と共にお楽しみ頂きます。エグリ・ウーリエのピノ・ムニエのシャンパーニュ、レ・ヴィーニュ・ド・ヴリニー(2009年8月デゴルジェ)も出します!ご興味のある方はご連絡ください。
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ワインコラム 第92回 スペインの話 リオハ編
- 2012-02-01 (水)
- ワインコラム
スペインでは、プリオラートPrioratやリベラ・デル・ドゥエロRibera del Dueroなどもありますが、やはりリオハRiojaが代表的な銘醸地と言えるでしょう。
リオハはスペイン北部、フランスの国境からそう遠くないところに位置しています。
ぶどう畑は約5万haあり、生産量も多いです。ワインショップに行くと、日本でもほとんどのお店に置いてありますね。
リオハでは白ワイン、ロゼワインも生産されていますが、有名なのは赤ワインです。一般的にはテンプラニーリョTempranilloという黒ぶどうを主体に造られます。
テンプラニーリョ
リオハは有名ですから、今回はリオハのあまり知られていない面をご紹介したいと思います。
まずはワインに使われるぶどう品種です。リオハ=テンプラニーリョの赤ワイン、というのが一般的な認識だと思いますが、テンプラニーリョを使っていないリオハの赤ワインも僅かですが存在しています。この場合、グラシアーノGracianoやガルナッチャGarnacha、マスエロMazueloなど、通常ではテンプラニーリョの補助品種として使われるぶどうが主体になります。
グラシアーノ
ガルナッチャ
マスエロ
リオハの白ワインは、フレッシュな若飲みタイプのものから樽で熟成された長期保存タイプまでいろいろありますが、珍しいものとしては遅摘みぶどうによる甘口もあります。
今日のリオハでは、伝統的なワインと近代的なワインなど、造り手の方向性に違いが見られます。イタリアのバローロBaroloのような、有名で歴史のある産地によくある傾向かもしれません。
伝統的なリオハの赤ワインは、テンプラニーリョを主体とし、アメリカン・オークの大樽で熟成。ワインの特徴としては若いうちから色調はオレンジを帯び、香りにも酸化熟成の様子が取れます。近代的なリオハの赤ワインはテンプラニーリョなどの地場品種に、場合によってはカベルネをブレンド。アメリカン・オークの他に、フレンチ・オークのバリック(225リットルサイズの小樽)も用いて熟成させます。ワインの特徴としては若いうちは黒っぽいような濃い色調を呈し、豊かな果実味を持ち、タンニンは多くても丸く、なめらかです。
バローロにしてもそうですが、優良な生産者のワインは、伝統的、近代的を問わず、とても完成度が高いですね。
濃厚なワインから、エレガントなワインまで、幅広いワインを産するリオハ。改めて注目してみてはいかがでしょうか?
Clos Yでは、2月15日のレストラン講座のテーマをスペインとし、カバ、シェリーなどスペインの代表的な産地のワインをそれに合わせた料理と共にお楽しみ頂きます。1993のリオハの白、2種類のリオハの赤もあります。ご興味のある方はご連絡ください。
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ワインコラム 第91回 食材の話 ジビエ 青首鴨(コル・ヴェール)編
- 2012-01-13 (金)
- ワインコラム
秋から冬にかけて、レストランのメニューを賑わすジビエGibier。鹿、猪など、野生の動物を狩って手に入れた食材です。
私は個人的に野兎Lièvre(の煮込みà la royal)が好きですが、人気のあるのは鴨類でしょうか。
中でも青首鴨(コル・ヴェール)Col-vertは、野鴨を代表する鴨として人気を博しています。
一言で鴨と言っても、世界にはいろいろな種類があります。ジビエではなく、飼育鴨だけ見てもバルバリーBarbarie、家鴨(あひる)、合鴨(あいがも)などがあり、ジビエでは軽鴨(かるがも)、小鴨(こがも)など、さらにドゥミ・ソヴァージュ(半野生。短期間飼育した後に自然に放ったもの)で最高級とされるシャラン鴨Canard Challandaisなど...
いずれも食用としては、赤身の肉で、共通した特徴がありますが、味わいはそれぞれ微妙に異なっています。
コル・ヴェール(=青い首)は、雄の頭部が緑色をしていることに由来している呼び名です。正式名称は「真鴨」と言います。きれいな緑色の首を持つのは雄だけで、雌は全体が褐色で、鮮やかな緑色は見られません。
コル・ヴェールの肉は、飼育鴨と比較すると赤みが強く、独特の風味を持っています。特に雌は皮下脂肪が厚く、濃厚な風味を持っています。まさに、ジビエの醍醐味を楽しめる食材で、人気があります。
合わせるワインを考えてみますと(とても楽しいです!)、真っ先に挙がるのはブルゴーニュのピノ・ノワールでしょう。一般的な鴨でしたらヴィラージュ・クラスのワインやブルゴーニュA.C.クラスのものでも楽しめると思いますが、せっかくのコル・ヴェールですから、プルミエ・クリュ以上のワインと合わせたいところです。特に、ジューシーに焼き上げて、サルミ・ソースsauce salmis (がらと香味野菜を焼き、ワインとフォンを加えて煮詰め、がらのエキスを抽出したソース。)を添えて仕上げた極上の一皿には、グラン・クリュの出番でしょう!
北ローヌのエレガントかつ力強いシラーSyrahも好相性だと思います。上質なバローロBaroloも候補として挙がります...イメージとしては、繊細でいながら力強さを持った、香り高い赤ワインです。熟成した極上のロワールのカベルネ・フラン(クロ・ルジャールClos Rougeardなど)も最高だと思います。
考えていたらお腹が減ってきてしまいました(笑)。
コル・ヴェールを含むジビエは、一年の中で食べられる時期が限られています。今はジビエのとても良い季節です。是非、ジビエを食べに出かけてみてはいかがでしょうか?
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ワインコラム 第90回 2011年心に残ったワインの話
- 2012-01-04 (水)
- ワインコラム
日本では出会えない希少なものから、大手生産者が手掛けるそれほど高価でないものまで、いろいろなワインが挙がりました。やはりワインはこのような多様性が面白いですね。
さて、Clos Y中西の2011年感動ワインは以下の通りです!
1、エグリ・ウーリエEgly Ouriet シャンパーニュ レ・ヴィーニュ・ド・ヴリニーChampagne Les Vignes de Vrigny N.V. 2009年8月にデゴルジェされたものです。熟成感があり、ロースト香がしっかりと出ていました。
2、ジェローム・プレヴォー Jérôme Prevost シャンパーニュ ラ・クロズリー レ・ベギーヌ Champagne La Closerie Les Béguines (2005) ノン・ヴィンテージ・シャンパーニュなのですが、実際は2005年の収穫100%のものです。1のエグリ・ウーリエ同様、ピノ・ムニエ100%。こちらも熟成感が強く、ロースト香がしっかり出ていました。これほど芳醇でリッチなシャンパーニュはあまり多くないでしょう。
3、コト・デ・ゴマリスCoto de Gomariz リベイロ ヴィニョ・デ・エンコスタス・デ・キストス アルバリーニョ Ribeiro D.O. Viño de encostas de xistos Albariño 2009 スペイン北西部、密かに注目を集めているリベイロの白ワインです。グレープフルーツの華やかな香りが強く印象に残っています。
4、ジアルディ Gialdi ティチーノ ビアンコ・ディ・メルロ ロヴェレ Ticino D.O.C. Bianco di Merlot Rovere 2010 スイス南部、ティチーノ地区は高品質なメルロを生みだします。トップ・クラスのワインは、ボルドーのトップ・ワインに比肩するほどの品質です。この地区では、メルロによるロゼ、そして白(!)も造られています。このワインは、優良生産者ジアルディによる、樽熟成白ワインです。果実味豊かで、酸味もあり、香ばしい樽香を楽しめる、しっかりした構成の白ワインでした。
5、ルイ・ジャド Louis Jadot ヴォーヌ・ロマネ Vosne-Romanée 2006 ルイ・ジャドが素晴らしいワインを造っているのはわかっています。しかし、なかなか通常のヴィラージュ・クラスのワインを飲む機会がありません。久しぶりにヴィラージュのヴォーヌ・ロマネを飲んで、驚かされました。これほど表情豊かなワインとは!
6、キャレ・クルバン Carré-Courbin ヴォルネイ・プルミエ・クリュ クロ・ドゥ・ラ・カーヴ・デ・デュック Volnay 1er Cru Clos de la Cave des Ducs 2001 珍しい畑を試してみようと、初めてこの生産者のワインを飲みました。10年経った、それほど良くないヴィンテージのこのワイン、素晴らしかったです!果実味、酸味、ボリュームなど、必要な要素を全て押さえ、さらに複雑な豊かな香り...また手に入るのであれば、是非また飲みたいワインです。
7、ドメーヌ・デ・コント・ラフォン Domaine des Comtes Lafon ヴォルネイ Volnay 2006 この造り手は、さすが、赤も素晴らしい!やや難しいこの年で、これほどの完成度とは...入手困難なのが残念!
8、ドメーヌ・デュ・モンテイエ Domaine du Monteilletサン・ジョゼフ 赤 キュヴェ・デュ・パピー Saint-Joseph Rouge Cuvée du Papy 2008 ブラインドで試飲して、間違いなくピノ・ノワール(ヴォーヌ・ロマネ2009あたり)だろうと思ったワインです。サン・ジョゼフと聞いて愕然としました。非常に良くできた、美しいワインです。
9、オーギュスト・クラップ August Clape ル・ヴァン・デ・ザミ Le Vin des Amis 2009 ローヌ地方、コルナスのトップ生産者が手掛ける「友達のワイン」。ヴァン・ド・ターブル格付けで、価格は友達価格ながら、内容はあの偉大なコルナスを彷彿とさせる!びっくりです。
10、レ・ジャルダン・ドゥ・バビロン Les Jardins de Babylone ジュランソン Jurançon 2007 ディディエ・ダグノー氏がフランス南西部で造る甘口ワインです。甘口ながら、糖、酸のバランスが完璧で、ぴんと張り詰めたような緊張感も漂う美しいワイン。ワインとしてのひとつの完成形を見せつけられたようでした。
ちなみに、印象に残った生産者はジュヴレイ・シャンベルタンGevrey-Chambertin村のフィリップ・シャルロパン・パリゾPhilippe Charlopin-Parizot氏とそのご子息でした(似ている。)。
さて、2012年はどのような素晴らしいワインとの出会いが待っているのでしょうか?今年もワインと共に素晴らしい一年にしましょう!
Clos Yは、新年お年玉企画としまして、シャトーヌフ・デュ・パプ単発講座を企画しております。ドメーヌ・デュ・ペゴーDomaine du Pégauのキュヴェ・ダ・カーポCuvée Da Capo 2007もご試飲頂けます!ご興味がございましたらご連絡ください。
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ワインコラム 第89回 ボルドー地方の話 シャトー・カントメルル編
- 2011-12-28 (水)
- ワインコラム
どのように時間を使うか計画を立てるのは、実はとても難しいものです。
ブルゴーニュBourgogneやナパ・ヴァレーNapa Valleyのように、ワイナリーが密集していて移動に時間をあまり取られないならば、午前中に2軒、午後に3軒という過密なスケジュールを立てることもできるかもしれません。
しかし、ブルゴーニュではひとつの造り手さんが10種類以上のワインを造っていることが多く、さらに複数のヴィンテージを試飲させて頂ける場合は試飲だけで1時間以上かかることがあります。通常ワイナリーの訪問は醸造設備や熟成セラーの見学から入ります。熱意のある造り手さんは畑まで連れて行ってくれもしますので、訪問時間が3時間を超える場合もあります。
事前に「訪問は設備の見学、ワインの試飲で90分です。」などと伝えてくれる造り手さんもいますが、このようなケースは少数派で、時間の予想は簡単ではありません。
私は300以上の生産者を訪問させて頂いておりますので、訪問時間に関してはある程度の予想が立てられます。
例えば、
ボルドーは1シャトー90分ほど。(シャトーの歴史のお話を聞く。醸造所、熟成室の見学。2、3種類の試飲。)
ブルゴーニュは1ドメーヌ120分ほど。(醸造所、熟成室の見学。12種類ほどの試飲。)
しかし、これは経験上の平均的な流れであって、例外はもちろん存在します。そのような場合、時間が足りなくなったり、余ったりしてしまいます。
私はワイナリーを訪問させていただく場合、通常は必ず事前に予約を取ってから行くのですが、ワイナリーの訪問と訪問の間に思わぬ時間が出来てしまった場合、訪問を断られるのを覚悟で近くのワイナリーに飛び込みで入ってみることがあります。
今回は、このような形で飛び込んだ、シャトー・カントメルルChâteau Cantemerleのお話です。
シャトー・カントメルルはボルドー地方、メドック地区のマコーMacau村に位置する、1855年の格付け第5級のグラン・クリュです。マルゴーMargaux、ポイヤックPauillacといった村名アペラシオンではなく、オー・メドックHaut-Médocというアペラシオンに属するためか、メドック地区のグラン・クリュとしてはあまり注目されていないようです。
しかし、このシャトーは確実にその品質を上げてきています。特に2000年代後半の伸びは注目に値します。
さて、私の飛び込み訪問ですが、結果としては、やはりきちんと見学はさせてもらえませんでした。しかし、急な訪問者に対して、とても親切に対応してくださったことが記憶に残っています。
また、もうひとつ強く覚えていることは、このシャトーの美しさです。このシャトーは90haもの畑を所有していますが、シャトーへの門をくぐると、ちょっとした森があります。背の高い木の間の道を進むことは気分をリラックスさせてくれますし、その森を抜けて現れるシャトーは均整が取れて美しく、印象に残っています。
この美しいシャトーから生まれるワインは、前述のように素晴らしいものです。さらに、大きな特徴はワインの価格が低めに設定されていることです。比較的手ごろに上質なワインが楽しめます。このようなワインは、ありがたいですね。しかし、評価が上がってくると、価格も上がるのが世の常です。このシャトーのワインも徐々に高くなっていくかもしれません...
いまのうちに、試されることをお勧めさせていただきます!
Clos Yは、1月18日のレストラン講座のテーマを「ボルドー」とし、シャトー・カントメルル2006を含む、グラン・クリュを中心としたワインをそれに合わせた料理と共にお楽しみ頂きます。ご興味のある方はご連絡ください。
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