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2016-02

ワイン・コラム 第182回 アルザス地方の話 トリンバック編

フランス北東部、アルザスAlsace地方。

フランスの中でも独特の文化を持ち、特筆に値する美しい村々があり、滋味豊かな郷土料理、そして香り高いワインが生まれる土地です。

優れたワインを造る造り手は枚挙に暇が無いのですが、今回ご紹介するトリンバックTrimbachはこの地方を代表する生産者のひとりです。
Trimbach
居を構えるのはアルザス地方南部の重要な町、コルマールの近く、リボーヴィレRibeauvillé。土産物屋や気軽に入れて美味しい料理を出すお店、そしてワイナリーで賑わうこの辺りでは比較的大きな村です。

アルザス地方にもグラン・クリュがあり、アルザス・グラン・クリュのワインは一般的なアルザスのワインより充実した内容のものが多いと思いますが、トリンバックはアルザス・グラン・クリュを否定しています。確かに50以上あるグラン・クリュの中で、指定面積が広過ぎ、グラン・クリュに値しない土地までグラン・クリュになっているところもあります...これはアルザス・ワインだけの話では無く、世の中の様々な分野でもこのようなことはあるのでしょう。しかしせっかくグラン・クリュ指定の畑を所有していながらそれを名乗らない、というのは職人気質と言いますか、他所者の私などには分からない根深い事柄があるのかもしれません。

グラン・クリュの話は置いておくとして、いずれにせよこの造り手のワインは高く評価されています。実質グラン・クリュである、ロザケール畑のクロ・サン・チューヌClos Sainte-Hune、そしてキュヴェ・フレデリック・エミルCuvée Frédéric Emile両リースリングは実に素晴らしいですし、肉厚なピノ・グリ レゼルヴ・ペルソネルRéserve Personnelle、凝縮感の強いゲヴュルツトラミネール キュヴェ・デ・セニュー・ドゥ・リボーピエールCuvée des Seigneurs de Ribeaupierreも見事です。そして遅摘み、貴腐による甘口も見逃すわけにはいきません。
Trimbach Chai 醸造と熟成に用いられる伝統的な大樽
最近は日本でもシュークルートChoucrouteやベッコフBaeckeoffeといったアルザスの郷土料理も以前に比べ浸透してきたように思います。まだ寒い日が続きますが、暖かなアルザスの郷土料理とトリンバックのワイン、試してみてはいかがでしょうか?

Clos Yは3月6日のレストラン講座のテーマをアルザスとし、グラン・クリュを中心に厳選したワインをそれに合わせて特別に作って頂く料理と共にお楽しみ頂きます。クロ・サン・チューヌ2009も登場します!ご興味がございましたらご連絡ください。

講座へのお申し込み、ご質問等はこちらのアドレスにご連絡ください。
vinclosy@aol.com

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