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2015-12

ワイン・コラム 第180回 ボルドー地方の話 シャトー・ラ・ミッション・オー・ブリオン編

シャトー・ラ・ミッション・オー・ブリオンChâteau La Mission Haut-Brion
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5大シャトーのひとつ、シャトー・オー・ブリオンとオーナーが同じであり、そのワインの品質は高く評価され、シャトー・オー・ブリオンを上回ることもあります。

位置するのはボルドー市街からすぐそば、タランスTalence。アペラシオンはペサック・レオニャン。グラーヴGraves地区に属しますが、その名の通り(グラーヴは砂礫の意。)25haの粘度石灰質の畑には小石が多く見られます。
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永らく赤ワインのみの生産を行っていましたが、2009年から白ワインも造り始めました。

私が2013年10月に訪問させて頂いた時の情報では、赤ワインは、
カベルネ・ソーヴィニヨン45%
メルロ45%
カベルネ・フラン10%
という構成。手摘みで収穫されたぶどうはステンレス・タンクでアルコール発酵が行われ、フレンチ・オークのバリック(新樽80%)で18ヵ月の熟成が施されます。卵白で清澄後瓶詰め。

白ワインは、
セミヨン80%
ソーヴィニヨン・ブラン20%
やはり手摘み収穫。まずステンレス・タンクでアルコール発酵を始め、始まったらバリック(新樽40~50%)に移しアルコール発酵の続きを行います。9ヵ月の熟成後、瓶詰め。

この時、実は白ワインに強い興味があったのですが試飲に白は供されませんでした。約2.5haしか畑がありませんので、生産量も少ない(年産500~700ケース。)から仕方ありませんね。

しかし興味深い試飲ができました。シャトー・オー・ブリオン赤2007とシャトー・ラ・ミッション・オー・ブリオン赤2007の比較試飲です。

この時は、シャトー・オー・ブリオンの方は赤い果実や土っぽい香り、酸がややしっかりしていてタンニンは溶け込んでいて、柔らかい印象。シャトー・ラ・ミッション・オー・ブリオンの方は黒系果実にロースト香。しっかりとした果実味、タンニンが多く細かく、力強い印象でした。

ボルドー地方最高峰のシャトーのひとつ、ラ・ミッション・オー・ブリオン。赤の品質は折り紙つきですが、未だ知られざる白も興味深いですね。Clos Yは、2016年1月11日にワイン持ち寄りの新年会を企画しております。ラ・ミッション・オー・ブリオン白2009を参加されるみなさまと共有すべくご用意いたしますので、ご興味のある方はご連絡ください。

講座へのお申し込み、ご質問等はこちらのアドレスにご連絡ください。
vinclosy@aol.com

ワイン・コラム 第179回 ボルドー地方の話 シャトー・オー・ブリオン編

ボルドー地方の5大シャトー

世界で最も名の知れたワインの一群であり、高価。内容も見事です。

1855年の格付けで最高位の1級に格付けされたシャトー(うちシャトー・ムートン・ロートシルトのみ1973年に例外的に昇格。)ですが、そのうちの4つはメドックMédoc地区にあります。というよりメドック(とソーテルヌ)の格付けだったのですが、高い名声のため例外的に地区外から格付けに入れられたのが今回ご紹介するシャトー・オー・ブリオンChâteau Haut-Brionです。

シャトーはボルドー市街のすぐ近く、ペサックPessacにあります。

その歴史を1533年まで遡ることができると言うこのシャトーを、1935年にオーナーとなったクラレンス・ディロン氏(アメリカの銀行家)一族が経営しています。今日ではルクセンブルク大公国のロベール皇太子殿下が最高経営責任者に就任しています(クラランス・ディロン氏の孫娘がルクセンブルク大公国大公子シャルル・ド・リュクサンブール妃。後のムシー公爵夫人ジョアン・ディロン。)。

5大シャトーの中で真っ先にステンレス・タンクを導入し、シャトー内に樽職人を抱えるなど品質のための改革・努力を怠りません。
Haut Brionタンク
Haut Brion樽工場

近年では系列シャトーの統合を行い、シャトー・ラ・トゥール・オー・ブリオンChâteau La Tour Haut-Brionとシャトー・ラヴィユ・オー・ブリオンChâteau Laville Haut-Brionはいずれも格付けシャトーながらシャトー・オー・ブリオン、そしてシャトー・ラ・ミッション・オー・ブリオンChâteau La Mission Haut-Brionに組み込み消滅させてしまいました。

同時にセカンド・ワインの改新やシャトー・ラ・ミッション・オー・ブリオン白の導入も行いました。

今日では、シャトー・オー・ブリオンは
シャトー・オー・ブリオン 赤
シャトー・オー・ブリオン 白
ル・クラランス・ド・オー・ブリオンLe Clarence de Haut-Brion
ラ・クラルテ・ド・オー・ブリオン La Clarté de Haut-Brion
を生産しています。

尚ラ・クラルテ・ド・オー・ブリオンはシャトー・ラ・ミッション・オー・ブリオンと共有しているセカンド・ワインです。

セカンド・ワインでさえ気軽に購入できない価格が付けられておりますが、ワイン愛好家としては一度は試してみたい銘柄ですね。実際試す価値のある品質であることは間違いありません。

Clos Yは1月3日の極上ワインと料理のマリアージュ講座でラ・クラルテ・ド・オー・ブリオン2009をラインナップの中に組み込んでいます。ご興味がございましたらご受講ください。

講座へのお申し込み、ご質問等はこちらのアドレスにご連絡ください。
vinclosy@aol.com

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