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2015-01

ワイン・コラム 第169回 ブルゴーニュ地方の話 ギィ・アミオ編

フランス、ブルゴーニュ地方。

今回ご紹介するギィ・アミヨGuy Amiot & Filsが居を構えるシャサーニュ・モンラシェChassagne-Montrahet村は、近隣のムルソー、ピュリニー・モンラシェと並んで世界屈指の上質な白ワインの産地として知られています。

実際のところこの村の土壌は黒ぶどうの栽培に適しているようで、赤ワインも少なからず造られており、白に比べコスト・パフォーマンスが高く、試す価値があります。

ギィ・アミヨは、そのワインの品質から、この村を代表する生産者のひとりです。所有する畑は偉大な特級畑ル・モンラシェLe Montrachetを筆頭に、シャサーニュ・モンラシェ村の複数の1級畑、サン・トーバン村の1級畑やピュリニー・モンラシェの1級畑など、12haを超える畑を所有しています。

私がこのドメーヌを訪問したのは2005年の10月。白はまだ若い状態の2004年を、赤は2003年を中心に試飲させて頂きました。印象的だったのは

白 シャサーニュ・モンラシェ・プルミエ・クリュ クロ・サン・ジャンClos St-Jean 熟した白い果肉の果実、しっかりとした樽香。果実味豊かで酸味はやや穏やか。ボリュームがあり、ミネラル感も強く、余韻が長い。
Chassagne 1er Chassagne du Clos St-Jean Clos St-Jeanの畑。

赤 シャサーニュ・モンラシェ・プルミエ・クリュ マルトロワ Maltroie 2002 木いちご、さくらんぼなど華やかな赤い果実の香り。果実味は十分で、酸味の強さは中程度。マロ・ラクティック発酵による乳的な香りがあり、タンニンはそれほど多くなくなめらかで、余韻はやや長い。

赤の2003年も良いものが多かったですが、全体的にジャムっぽい、果実の成熟度が高いことを伺わせる雰囲気がありました。

ヴィンテージの性質やワインの状態(まだ若過ぎる状態)も考慮にいれる必要がありますが、赤の質の高さに心を打たれました。もちろん白も良かったですが。

やはりその土地、テロワールに合った適正品種というものがあるようです。市場で白の需要が多く、そのため高値で売れるので白ぶどうを栽培している部分があると思うのですが、シャサーニュ・モンラシェ村の土壌の大部分は黒ぶどうの栽培に適しているというのは事実なのでしょう。

土地、そしてそこに植えられたぶどうが表現するテロワール。ギィ・アミオのワインはそれをしっかりと表現していました。

Clos Yは、ブルゴーニュ・ステップ・アップ講座の2月のテーマをシャサーニュ・モンラシェとし、グラン・クリュを含む4種のワインの試飲も行います。ギィ・アミオの赤ワインも登場します。ご興味がございましたらご連絡ください。

講座へのお申し込み、ご質問等はこちらのアドレスにご連絡ください。
vinclosy@aol.com

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ワイン・コラム 第168回 ボルドー地方の話 ドメーヌ・ド・シュヴァリエ編

フランス、ボルドー地方。

長期熟成に向く、重厚な赤ワイン、そして甘美な貴腐ワインとして知られるソーテルヌを産出するこの土地で、上質な白ワインも造られていることはあまり知られていないかもしれません。

辛口白ワインとして、高級銘柄ではシャトー・マルゴーが造るパヴィヨン・ブラン、シャトー・ムートン・ロートシルトが造るエール・ダルジャンなどメドック地区にもありますが、ボルドーの高品質白ワインと言えばグラーヴGraves地区が筆頭に来ることでしょう。

5大シャトーのひとつシャトー・オー・ブリオンの白ワインを始め、シャトー・ラ・ミッション・オー・ブリオン、シャトー・ラトゥール・マルティヤックなど、上質な白ワインを挙げればきりがありません。

その中でも特に、この地区で白ワインと言えば、ドメーヌ・ド・シュヴァリエDomaine de Chevalierを抜きには語ることができません。

グラーヴ地区の中でも特に高品質なぶどうが収穫できるペサック・レオニャンPessac-Léognan。ペサックとレオニャン、2つの村の名前を組み合わせてできている小さなワイン生産地区の名前ですが、実際にはカドジャックCadaujac、カネジャンCanéjan、グラディニャンGradignan、レオニャンLéognan、マルティヤックMartillac、メリニャックMérignac、ペサックPessac、サン・メダール・デイランSaint-Médard-d’Eyrans、タランスTalence、ヴィルナーヴ・ドルノンVillenave d’Ornonの10のコミューンがペサック・レオニャンのワインを産することができます。

ドメーヌ・ド・シュヴァリエは、ペサック・レオニャンA.C.、レオニャンの村の近くに位置しています。
Chevalier
私がこのシャトーを訪問したのは2014年9月、ちょうど収穫の最中でした。グラーヴ=小石の名の通り、小石が多く見られる畑には収穫を直前に控えたぶどうが見られました。
Chevalier2
美しい形状のシャトー内部には、赤ワインのアルコール発酵に使うステンレス・タンクや熟成、そして白ワインの発酵に使うバリックが整然と並べられています。

この日はちょうどオーナーがいらして、貴重な古酒1981の白、ハーフ・ボトルも開けて頂きました。コーヒーの様な余韻。ドメーヌ・ド・シュヴァリエの白は長く熟成させても楽しむことができます。

樽熟成タイプのボルドーの白ワインは、冬季にもじっくり楽しむことができます。魚介類だけでは無く、白身の肉料理と合わせて頂いても良いでしょう。

Clos Yは、2015年もレストラン講座「世界の銘醸地を巡る!」を続けてまいります。1月21日のテーマはボルドー地方、グラーヴ地区です。アペリティフに希少なドメーヌ・ド・シュヴァリエのロゼをお楽しみ頂きます。ご興味がございましたらご連絡ください。

講座へのお申し込み、ご質問等はこちらのアドレスにご連絡ください。
vinclosy@aol.com

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ワイン・コラム 第167回 イタリアの話 フェッラーリ編

新年明けましておめでとうございます。

本年も引き続き、訪問したワイン産地の話などをコラムに綴っていきたいと思います。

2015年第1回目のコラムでは、イタリア、トレンティーノ・アルト・アディジェ州で上質なスパークリング・ワインを造るフェッラーリFerrariをご紹介いたします。

ワイナリーは、同州の州都トレントTrentoの町にあります。
DSC01657
私はお隣のヴェネト州のヴェローナから北上しトレントに向かったのですが、途中の風景は心打たれるものでした。

道は狭い渓谷を南北に走っているのですが、両岸は崖のように聳え立っていて、電車と車は谷の一番下の方を通ります。夕暮れ時、見上げてしまう崖が両側にある中を走っていくのはどこか悪い夢のようで、美しい風景ながらトレントに着いた時はほっとしたのを覚えています。

谷底の比較的平坦な部分から急斜面過ぎて作業ができない部分の間にぶどう畑が拓かれています。

トレントの町の名を取ったD.O.C.トレントという呼称のワインがありますが、それはトレントの町周辺のぶどうを用いて造られるスパークリング・ワインです。私が通った渓谷の斜面畑のぶどうも使われることでしょう。比較的価格は手ごろ。しかし内容はとても充実していて、世界的に見てもコスト・パフォーマンスが高いスパークリング・ワインだと思います。

そのトレントを代表する生産者がフェッラーリです。車のフェッラーリとは関係がありませんが、同じ名前のそれぞれ有名企業であるため、一緒にイヴェントを行うこともあるようです。

シャンパーニュの高級メゾンのように、フェッラーリの建物内部は華やかな雰囲気で、訪問客も多かったです。
DSC01659
マーケティングの華やかな部分が目立ちますが、肝心のワインの品質も注目に値します。

スタンダード・キュヴェのブリュットから、上級のペルレ、そしてトップ・ラインのリゼルヴァ・ルネッリ、圧巻のジュリオ・フェッラーリまで、いずれも素晴らしいワインです。

トレントD.O.C.としては少し高価ですが、トップ・クラスのキュヴェは世界中のあらゆるスパークリング・ワインの中で最高品質の域に達していると思います。

今年、良いことがあった時の乾杯用に今から準備しておくのも手ですね!

Clos Yは、2015年も引き続きイタリア・ワイン基礎講座を続けていきます。1月12日のテーマはトレンティーノ・アルト・アディジェ州です。地場品種の白ワイン、赤ワイン、そしてフェッラーリのスプマンテも試飲して頂きます。ご興味がございましたらご連絡ください。

講座へのお申し込み、ご質問等はこちらのアドレスにご連絡ください。
vinclosy@aol.com

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