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2015-02

ワイン・コラム 第171回 プロヴァンス地方の話 シャトー・シモーヌ編

陽光溢れる南仏、プロヴァンスProvence地方。

高級リゾート地コート・ダジュールでは美しい地中海を臨み、一歩内陸に入ると山の雰囲気になり、ラベンダー、松、芳香豊かなハーブ類、ひっそりとした鷲の巣村が息づいています。フランスの中でも最も美しい地方のひとつと言えるでしょう。
DSC01130
ワインはというと、フランス3大ロゼ・ワインのひとつコート・ド・プロヴァンスCôtes de Provenceのロゼが観光客の渇いた咽を潤しています。このロゼ、中には息を飲むような素晴らしいものもありますが、一般的にはワイン愛好家が貴重な時間を費やして口にするに値しないような品質のものです(とは言えこの土地の美しい雰囲気の中ではそれなりに美味しく感じられるのですが...)。

今回ご紹介するシャトー・シモーヌChâteau Simoneは、パレットPaletteという極小アペラシオンで、プロヴァンス地方でトップクラスのワイン(白、ロゼ、赤)を造り続けている素晴らしい造り手です。

まずはパレットというアペラシオンですが、エクサン・プロヴァンスAix-en-Provenceの町の南東に位置する、僅か45haほどの土地で、グルナッシュ、ムルヴェドル、サンソー、クレレット、ユニ・ブランなどからワインが造られ、5社の生産者が存在しています。

シャトー・シモーヌが造るワインは白、ロゼ、赤、いずれも素晴らしいものです。

畑は山中にあり、21haの土地は森に囲まれています。小川も流れていてミクロ・クリマがあり、多くのぶどう品種が栽培されています。中には樹齢100年を超えるものもあるようです。
Ch.Simone シャトー・シモーヌの畑
全てのワインは天然酵母でアルコール発酵を行い、樽熟成を経ます。ロゼ・ワインを樽熟成させるのは世界的に見ても珍しいことですが、それもありシャトー・シモーヌのロゼは他のプロヴァンス地方のロゼとは一線を画した仕上がり。複雑味を備えています。

一般的なプロヴァンスのロゼは夏の太陽の下飲みたいものですが、シャトー・シモーヌのロゼは冬のワインのような気がします。冷やし過ぎずに、少し大きめのグラスで楽しむとその素晴らしさを存分に楽しめることでしょう。

冬の間に、試してみてはいかがでしょうか?

Clos Yは3月1日のレストラン講座のテーマを「偉大な生産者の夕べ」とし、フランス各地の偉大な生産者のワインをそれに合わせた料理と共にお楽しみ頂きます。シャトー・シモーヌのロゼ2010も登場します!ご興味がございましたらご連絡ください。

講座へのお申し込み、ご質問等はこちらのアドレスにご連絡ください。
vinclosy@aol.com

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ワイン・コラム 第170回 シャンパーニュ地方の話 ニコラ・フィアット編

フランス北東部に位置するシャンパーニュChampagne地方。

フランスの首都であるパリからシャンパーニュ地方の都市ランスReimsまで、直通のT.G.V.で最短46分で行くことができます。

この土地では白ワイン、ロゼワイン、赤ワインも造られていますが、何と言っても特産品はスパークリング・ワインです。

シャンパーニュ地方の中でも限定された区域の、指定された品種から指定された方法で造られたスパークリング・ワインは、シャンパーニュという名を名乗ることができます。今日では世界中で優れたスパークリング・ワインが造られていますが、シャンパーニュの名を名乗ることができるスパークリング・ワインはこのシャンパーニュ地方でしか造られることができません。

近年は小規模な生産者も増えましたが、大手生産者も健在です。

今回は、協同組合であるニコラ・フィアットNicolos Feuillatteをご紹介いたします。

ランスから南下すると、やがてこの地方の重要な町エペルネイEpérnayにたどり着きます。ニコラ・フィアットはエペルネイの東、シュイィChouilly村にあります。
Nicolas Feuillatte
N. Feuillatte2 石灰質の白い土壌が見えます。
フランスでシェアNo.1を誇るこの生産者は、やはり大規模な醸造設備を備えています。

施設内を案内して頂きましたが、見上げてしまう大きなタンクがたくさんあり、フォーク・リフトが忙しそうに動き回っていました。

ワインの品質はというと、一般的な協同組合のイメージは大量生産、低品質、というものがあると思いますが、それとはかけ離れた、上質なものです。トップ・キュヴェのパルム・ドールPalmes d’Orはもちろん、グラン・クリュごとに造り分けたり、バリックを使った野心的なキュヴェもあります。
N. Feuillatte3
素晴らしいワインを造る協同組合をいくつか挙げることができますが、ニコラ・フィアットはその良い例のひとつだと思います。いろいろなキュヴェがありますので、気になるものがありましたら試してみてはいかがでしょうか?

Clos Yは、2015年2月よりシャンパーニュ地方のワイン講座を行います。第1回、2月25日のテーマはシャンパーニュ概要です。シャンパーニュ地方の歴史、風土や郷土料理、シャンパーニュ造りの方法、使用する道具、理想的なサービスの仕方など、広くシャンパーニュ地方をご理解いただけます。3種類のシャンパーニュの試飲の中には、ニコラ・フィアットも含まれています。ご興味がございましたらご連絡ください。

講座へのお申し込み、ご質問等はこちらのアドレスにご連絡ください。
vinclosy@aol.com

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