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2011-05

ワインコラム 第76回 スパークリング・ワインの話 プロセッコ編

暑い夏はもちろん、クリスマス時期や年末・年始など、一年を通して楽しまれる機会の多いスパークリング・ワイン。泡立つ華やかな様子は、祝い事の乾杯等にうってつけですね。

 

フランスではシャンパーニュ地方で造られるシャンパーニュChampagneが人気で、レストランでのアペリティフや、お祝いの席に欠かすことができない存在として定着しています。

 

シャンパーニュはフランス以外でも、世界中で人気です。日本にもシャンパーニュ愛好家は多いようですね。

 

フランスと並ぶワイン大国であるイタリアでもスパークリング・ワインは人気があります。シャンパーニュも飲まれていますが、やはりイタリアではイタリア産のスパークリング・ワインがよく飲まれています。

 

イタリア産の代表的なスパークリング・ワインを挙げますと、シャンパーニュと同じ瓶内二次発酵方式で造られるフランチャコルタFranciacorta、マスカットの香りが華やかな、甘口のアスティAstiが重要です。

 

そして、近年流行っているのが、ヴェネト州で造られるプロセッコProseccoです。プロセッコ(=グレラGlera)という白ぶどうから造られます。フレッシュで華やかな香りを持ち、フルーティな果実味のある軽やかなスパークリング・ワインです。このワインの良さは、もし一言で表現するならば、その「軽やかさ」にあると思います。

 

現在、世界的に飲食が軽くなる傾向にあると思います。例えばアルコールで言うとスピリッツよりもワイン、ワインよりもビールなど、より軽いアルコール飲料に消費者は移りつつあるようです。料理もバターなど油脂をたっぷり使う料理から、素材を活かしてシンプルに調理する料理が人気を集めつつあるようです。

 

そうした時代の流れにプロセッコの特徴がちょうど合っているようです。

 

プロセッコの楽しみ方を考えてみますと、アペリティフはもちろん、ランチにも、夜のくつろぎの時間にも、広い場面に対応できます。ワイン単体でも、食事と合わせても楽しめることは大きな強みですね。また、重要な点として、生産量が多く、かつ品質が安定していて、コストパフォーマンスが高いことも見逃せません。

 

しかし、ただ安くて軽やかなだけがプロセッコの全てではありません。コネリアーノConeglianoヴァルドッビアーデネValdobbiadeneなど、特にぶどう栽培に適した丘陵地からは、アロマのしっかりとした、称賛に値するワインが生まれています。コネリアーノ・ヴァルドッビアーデネ・プロセッコConegliano Valdobbiadene-Proseccoアゾーロ・プロセッコAsolo-Proseccoの2つの銘柄のプロセッコが、2009年にイタリアワイン最高格付けのD.O.C.G.に昇格しました。

 

今後、ますます注目のワインですね。日常にプロセッコを飲み、少しいいことがあった時にD.O.C.G.銘柄の上級プロセッコを飲み...

 

これからの季節にぴったりだと思いますので、興味のある方は是非試してみてください!

 

Clos Yでは、5月28日のワインを楽しむランチ会を、D.O.C.G.のプロセッコで幕開けます。ご興味のある方はご連絡ください。

 

 

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vinclosy@aol.com

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ワインコラム 第75回 イタリアの話 マルケ州編

イタリアでは、北から南まで全20州で個性的なワインが造られています。

 

今回は、マルケMarcheについて紹介いたします。

 

マルケ州はフィレンツェFirenzeを擁するトスカーナToscana州の東隣に位置しています。アドリア海に面した美しい海岸線を持ち、州都はアンコーナAnconaです。

 

あまりワインのイメージが無いかもしれませんが、赤ワインのコーネロConero、また、生産量が少なく希少な赤のスパークリング・ワインであるヴェルナッチャ・ディ・セッラペトローナVernaccia di Serrapetronaの2つのD.O.C.G.があります。

DSC00509 小さなSerrapetrona村

DSC00512 Serrapetronaの畑

しかし、この州で一番知名度が高いワインはヴェルディッキオVerdicchioから造られる白ワインの、ヴェルディッキオ・デイ・カステッリ・ディ・イエージVerdicchio dei Castelli di Jesiでしょう。

DSC00515 Jesiの町 

少し変わった形のボトルに入れられることがあり、視覚的なインパクトもあると思いますが、生産量も多く、非常にコストパフォーマンスに優れたワインです。2010年にリゼルヴァRiservaタイプがD.O.C.G.に昇格したことにより、改めて注目を集めています。

 

マルケ州にはもうひとつ、ヴェルディッキオのD.O.C.G.があります。ヴェルディッキオ・ディ・マテリカ・リゼルヴァVerdicchio di Matelica Riservaです。

DSC00514 Matelicaの町 

これも2010年にD.O.C.G.に昇格したばかりです。マルケ州の内陸にあるマテリカの町の周辺で造られるワインで、同じヴェルディッキオながらカステッリ・ディ・イエージとは異なる個性を備えています。

 

山あり、海ありのマルケ州は、食材にも恵まれ、シンプルながらもおいしい料理が溢れています。大型のグリーン・オリーヴの肉詰め、内臓肉を使いトリュフも入る豪華なヴィンチスグラッシ(ラザーニャの一種)、新鮮な魚介類のパスタ、シンプルなローストなど...どれもこの州のワインと良く合います!

 

あまり観光地として知られていないこの州は穏やかで美しく、そこに住む人々も優しく気さくです。お時間があれば、このような土地への旅もお勧めいたします。マルケ州で過ごす癒しの時間は、人生の快い思い出になると思います!

 

Clos Yでは、5月18日のレストラン講座のテーマを「マルケ州」とし、2010年に現地で出会ったワインを始め、希少なヴェルナッチャ・ディ・セッラペトローナなどおいしいワインをそれに合わせた料理とともにお楽しみいただきます。ご興味のある方はご連絡ください。

 

 

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