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2015-04

ワイン・コラム 第175回 ブルゴーニュ地方の話 ピュリニー・モンラシェの赤ワイン ジャン・シャルトロン編

モンラシェMontrachet

世界最高の白ワインである、と言った場合に最も反論の少ないであろう偉大なワインです。

このワインはフランス、ブルゴーニュ地方のモンラシェと言う名の畑のぶどうから造られます。

この畑はピュリニーPulignyとシャサーニュChassagne両村にまたがっていて、どちらの村もこの偉大な畑の名を村の名前に付け、それぞれピュリニー・モンラシェPuligny-Montrachetそしてシャサーニュ・モンラシェChassagne-Montrachetと言う名にしています。

今回は、ピュリニー・モンラシェ村の造り手、ジャン・シャルトロンJean-Chartronをご紹介いたします。

グラン・クリュであるシュヴァリエ・モンラシェChevalier-Montrache、バタール・モンラシェBâtard-Montrachetなど素晴らしい畑を所有し、上質なワインを生産しています。

シャサーニュ・モンラシェ村では赤ワインの生産も多いのでシャサーニュ・モンラシェ赤を飲まれたことがある方は少なくないと思いますが、法的にピュリニー・モンラシェでも赤ワインの生産は認められています。

しかし土壌との相性のためなのか、ピュリニー・モンラシェの名を冠した赤ワインを見かけることはほとんど無いと言っていい状況です。

そんな中、ジャン・シャルトロンは、ピュリニー・モンラシェ、しかも1級格付け畑に黒ぶどうピノ・ノワールを植え、赤ワインの生産を行っています。

私の知る限り、ピュリニー・モンラシェの赤ワインを生産している造り手は他にあと1軒。わずか2生産者しかピュリニー・モンラシェンの赤ワインを造っていないということは、やはりこの土地は白ワインの生産に向いているということでしょう。

肝心のワインですが、白は果実味が十分ありますがそれを上回る酸味が主体のエレガントな構成で樽は強すぎず適度にボワゼが表現されています。赤はブルゴーニュ、ポマールPommard、シャサーニュも試飲しましたが、なかなか凝縮感があり、キュヴェによっては塩味がしっかりと感じられました。

ピュリニー・モンラシェの赤ワイン、1級畑クロ・デュ・カイユレClos du Cailleret2004は2005年秋の時点ではガーネット系の濃い色調を呈し、赤い果実を主体に胡椒などのスパイシーさがある香り。味わいは果実味がしっかりとしていて豊か、少し青い雰囲気があり全体的に少し硬い印象が残りました。
Puligny 1er Clos du Cailleret Clos du Cailleretの畑
ピュリニーの赤はなかなかお目にかかることができない希少なワインですが、このようなワインを経験することによってピュリニー・モンラシェという土地の理解が深まると思います。機会がありましたら試されると良いでしょう。

Clos Yは5月6日のレストラン講座のテーマをブルゴーニュのグラン・クリュとし、素晴らしいワインに料理を合わせてお楽しみ頂きます。ジャン・シャルトロンを所有するシャルトロン・エ・トレビュシェのコルトン白も登場いたします。ご興味がございしたらご連絡ください。

講座へのお申し込み、ご質問等はこちらのアドレスにご連絡ください。
vinclosy@aol.com

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ワイン・コラム 第174回 シャンパーニュ地方の話 テタンジェ編

シャンパーニュChampagne

フランス北東、シャンパーニュ地方で造られる発泡性のワインであり、食前から食中、食後まで、華やかに場を盛り上げ、ラグジュアリーな雰囲気を放つ、他にあまり類の無いワインです。

近年では小規模生産者の「ワインらしい」個性を備えたシャンパーニュが人気ですが、いわゆる大手メゾンも素晴らしいシャンパーニュを世に送り出していますね。

今回は、人気メゾンのひとつ、テタンジェTaittingerをご紹介いたします。

1734年創立のこのメゾンは、シャンパーニュ地方の都市ランスReimsに本拠地があるため、訪問し易く、また時間を取って訪問する価値のある、シャンパーニュ地方の中でも特に重要なワイナリーのひとつだと思います。

個人的な話ですが、ワインの勉強を始めた頃、有名どころ(とそうでもないところも)のシャンパーニュを並べて比較試飲する機会を友人と設けました。その中でテタンジェのシャンパーニュは華やかで香り豊か、味わいもバランス良く全体として気品があり、特に心惹かれたことを覚えています。

私がこのメゾンを訪問させて頂いたのは2008年のことでした。
Taittinger
テタンジェに限った事ではありませんが、ランスのシャンパーニュのメゾンは地下に深く長いカーヴを所有しており、その訪問の大部分の時間を地下で過ごすことになります。

お決まりのルミュアージュに関することなど見させて頂きましたが、テタンジェは一部のキュヴェにを使用しています。
Taittinger樽
今でこそシャンパーニュ造りに樽を使うことはそう珍しくなくなりましたが、今日でも樽を使って造られたシャンパーニュは少数派です。

特筆すべきキュヴェは

コント・ド・シャンパーニュComtes de Champagne。テタンジェのトップ・キュヴェ。全体の5%を新樽を含む樽で4ヵ月熟成。良い年にのみ造られ、10年ほどの熟成を経てからようやく出荷されます。常に品があり、複雑で余韻が長いプレステージ・シャンパーニュです。

コレクションCollection

良い年にのみ造られ、世界の有名芸術家にボトルのデザインを依頼するアーティスティックなキュヴェ。

1978年のヴィクトル・ヴァザルリがファースト・ヴィンテージ。その後
1981 アルマン
1982 アンドレ・マッソン
1983 ヴィエラ・ダ・シルヴァ
1985 ロイ・リキテンスタイン
1986 ハンス・アルトゥング
1988 今井俊満
1990 コルネイユ
1992 マッタ
1998 ザオ・ウーキー
2000 ラウシェンバーグ
2002 アマドウ・ソウ
といった芸術家がボトル・デザインを手がけています。

他にも甘めに仕上げたノクターンNocturneや複数のロゼなど、魅力的なシャンパーニュが揃っています。まずはブリュット・レゼルヴBrut Réserveから試してみてはいかがでしょうか?

Clos Yは4月22日のシャンパーニュ地方のワイン講座のテーマを「グラン・メゾン」とし、シャンパーニュ地方の代表的な大手メゾンの基本的なキュヴェを試飲し、それぞれのメゾンの特徴を探っていきます。テタンジェもご紹介いたします。ご興味がございましたらご連絡ください。

講座へのお申し込み、ご質問等はこちらのアドレスにご連絡ください。
vinclosy@aol.com

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