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2016-04

ワイン・コラム 第184回 肉の話 その2

前回に引き続き、牛肉料理のお話です。

タルタル・ステーキ
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生の牛肉を細かく切ったものに、レモン果汁やケッパーなどの酸味、タバスコの辛み、卵黄とオリーヴ・オイルの油分、塩、胡椒などを加え混ぜ合わせた料理です。私はとても好きでいろいろな場所で食べるのですが、日本で食べるのは困難になってしまいました...フランス各地で食べられますので、例えばボルドーで食べる場合はボルドーの赤ワインを、ブルゴーニュで食べる場合はブルゴーニュの赤ワインを私は合わせます。それぞれの土地で、地元の牛肉(例えばブルゴーニュ地方ではシャロレ牛)を使うことが多いので、地元のワインとしっくりくるのですね。

こんな焼きタルタルもあります!
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美味しくなかった...。タルタルの表面だけ焼き、中は生という料理。

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こちらはスイス南部、イタリア語圏のティチーノTicinoで。付け合わせの野菜の安っぽさからは想像できない高品質肉!びっくりしました。とてもおいしかったです。ワインはティチーノのメルロMerlot!この辺りでは高級サンテミリオンやポムロールなどに比肩し得る上質なメルロのワインがあります。やはり上質なものはそれなりに高いのですが。他にはメルロのロゼ、そしてメルロの白もあります!中には樽発酵・樽熟成を施した高価なメルロの白ワインもあり、ティチーノはとても興味深いワイン産地です。

イタリアでは、これ!
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ビステッカ・アッラ・フィオレンティーナBistecca alla Fiorentina。トスカーナ州、キアナ牛のTボーン・ステーキ。厚みが薄いのはこの料理にあらず、最低800gとも言われる骨付きの肉塊を炭火で焼き上げます。フィレとサーロイン、2種類の肉を楽しめる、ほぼ素焼き、最後に上等なオリーヴ・オイルを振りかけるだけの豪快な料理です。
このような料理なので、料金はグラム単位で設定されています。私が食べたのは1,100g(骨付き)ほど。とろけるようなフィレ肉の美味しさがはっきりと記憶に残っています。
前菜は軽くスープにしましが、その後のデザートまで頂けるほどおいしく頂きました。やはりキアナ牛の肉質がポイントなのでしょうか。シンプルにグリルして、オリーヴ・オイルと塩、という味付けも良いのでしょう。素材の良さを楽しめます。ワインはもちろんキアンティ・クラッシコChianti Classico

最後に、私が働いていたボルドーのビストロ・デュ・ソムリエBistro du Sommelierの1品。
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コート・ド・ブフCôte de Bœuf。こちらも大きな塊で、時間をかけてじっくりと焼きます。大きな塊で焼いてこそ旨いので2名様から。ビステッカ・アッラ・フィオレンティーナほどの量があります。焼き加減は指定できますが、セニャンsaignant(レア)、もしくはブルーbleu(日本には無い焼き加減でしょうか、レアよりももっと生に近い焼き加減です。)を指定されることが多かったです。
そして付け合わせのポム・フリットが絶品。外側はかりかりで中はフォンダン(とろけるような)。粗塩をまとった揚げたては3つ星?!日本の芋との素材の違いもあるのでしょう。
この料理とはやはりボルドーの赤ワインと合わせることになります。私が働いていた2005年には、シャトー・ボー・ソレイユ(ポムロール)のセカンドのプティ・ソレイユやシャトー・レ・ゾルム・ソルベ(メドック)などが良く出ていました。シャトー・ラトゥールのサードのポイヤック・ド・ラトゥールも安かった...レストラン(ビストロですが)で1996が38ユーロ...

めくるめく牛肉料理の世界。ひとつの料理に合わせるワインはもちろんひとつではありません。近頃暑い日もありますので、冷やした白ワインと牛肉料理も良いでしょう。

連休の締めくくりは肉とワインで決まり?ですね!

ワイン・コラム 第183回 肉の話 その1

3年に一度の世界ソムリエ・コンクール

2016年4月19日にアルゼンチンで行われました。

第15代目チャンピオンはスウェーデンのJon Arvid Rosengren氏、31歳!

刺激になります。

日本代表の石田さん、森さんもお疲れ様でした。

どれだけの努力を積んでこのコンクールに臨まれたか、少しだけですが存じておりますので私も残念に思います。

来年は全日本最優秀ソムリエ・コンクールが行われる年です。第16回チャンピオンを目指してまた挑戦されることでしょう。ひとまずはアルゼンチンの美味しい料理とワインと共に疲れを癒されたことと思います。

アルゼンチン料理と言えば、です!アルゼンチンのひとりあたりの年間肉消費量は約110kgで、うち牛肉は60kgとか。ステーキや炭火焼で食べるようです。

そこで今までで印象に残っている牛肉料理を思い出してみました。

まず美味しかったな、と思い出すのはアメリカ合衆国、カリフォルニア州の
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確かリブロース。火入れが素晴らしく、特に芯の部分なのか柔らかく、旨味が強く、本当に強く。しっかりと記憶に残っております。
ワインはナパ・ヴァレーNapa Valley、グロースGrothのカベルネ・ソーヴィニヨンCabernet Sauvignon。しっかりと、凝縮度の高い上質な赤ワインでした。

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こちらはロックフォール・チーズの生産者を訪問した時に、フォックフォール・シュール・スールゾンRoquefort-sur-Soulzon村のすぐ近くのホテル・レストランで頂いた一皿です。濃厚なチーズのソースがたっぷり。肉が硬くておいしくなかったのを覚えています(笑)。

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こちらはミラノで、オッソ・ブーコ。仔牛のすね肉の輪切りで、骨の中の髄も頂きます。サフランを使ったミラノ風リゾットが添えてあります。ワインはオルトレポ・パヴェーゼOltrepò Paveseを頂きました。

ウィーンではヴィーナ―・シュニッツェル
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やはり仔牛は成牛よりもあっさりとした肉質ですね。薄く叩いて伸ばし、油で揚げ焼くことによってこくのある料理に仕上がります。私は赤ワインと頂きましたが、ウィーンのゲミシュター・サッツGemischter Satsとも相性が良いと思います。

次回は肉の話その2、イタリアのビステッカ・フィオレンティーナやスイスの肉料理、ワインなどをご紹介いたします!

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