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ワイン・コラム 第189回 ローヌ地方の話 シャトー・ラヤス編

シャトーヌフ・デュ・パプChâteauneuf du Pape

法王の新しい城」という意味のフランス語です。これは、フランス南部、プロヴァンス地方(行政上では。ワイン産地の区分上ではローヌ地方に属する。)に位置する小さな村の名前であり、同時にこの村の周辺の限定されたぶどう畑のぶどうから造られる、南仏きってのワインの名前でもあります。

シャトーヌフ・デュ・パプのワインは、高品質の白ワインもありますが少量しか造られていないため見かけることは稀で、生産量の9割以上を占める赤ワインが高い評価を得ています。

ワインのスタイルは、南フランスの太陽をたっぷりと浴びたぶどうがそのままワインになった、ボリュームがあり力強いものです。

今回ご紹介するシャトー・ラヤスChâteau Rayasは、上記のような典型的なワインではなく、グルナッシュ100%であるのにまるでピノ・ノワールのような雰囲気の見事な赤ワインで高い評価を得ています。
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私が訪問させて頂いたのは2013年2月。空には雲一つ無い快晴でしたが、この地特有のミストラルMistral(フランス南東部に吹く強い北風。特にローヌ渓谷では日中の平均速度50km/h、時には90km/hにもなるようです。)が吹きすさび、それは寒かった記憶があります。ミストラルは主に冬から春にかけて現れますが、一年中発生します。この風がこの地方特有の気候や植生、風景を形成する一因になっているのは間違いないでしょう。

さてこのシャトー・ラヤスは、南仏のみならずフランス、そして世界で最も素晴らしいワインのひとつを造る生産者と言って良いと思います。特別であることにはやはり理由があります。

現在はエマニュエル・レイノー氏が運営していますが、このシャトーを有名にしたのは先代のジャック・レイノー氏です。

南仏の偉大なアペラシオンであるシャトーヌフ・デュ・パプの特徴のひとつとして必ず挙げられる、畑に存在する大きな石ころ。日中の太陽の熱を蓄え、ぶどうの成熟を促進すると言われますが、ジャック・レイノー氏はなんと自分の畑のその石ころを取り除いてしまいました...何たる労働でしょう!
DSC01156 シャトー・ラヤスの畑。
DSC01154 少しは石ころがあります。
Chateauneuf畑 これが一般的なシャトーヌフ・デュ・パプの畑。石ころだらけです。

ピノ・ノワールを想わせるエレガントさは、このことも要因のひとつなのでしょう。

この生産者は、希少なシャトーヌフ・デュ・パプの白ワインも造っています。こちらの品種はグルナッシュ・ブランとクレレット。南の白ワインらしく、ボリュームがありますが決してアルコール感が目立つようなことは無く、なめらかでリッチ。マチエール(要素)が多いワインです。

芳醇で濃厚なワインが主流の産地でエレガントなワインを生み出すシャトー・ラヤス。白は希少、赤も高価ですが、真に試すべきワインです。エマニュエル・レイノー氏が、これからも偉大なワインを造り続けてくれることでしょう。
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Clos Yは、5月27日に「偉大なワインを飲む!」単発講座を人形町の肉ビストロ「ラ・ブーシュリー・グートン」で行います。なかなか体感できない、シャトーヌフ・デュ・パプ最高生産者のひとり、シャトー・ラヤスの白ワインもご試飲頂けます。郷シェフのフランス仕込みの骨太料理も圧巻です!ご興味がございましたらご連絡ください。

講座へのお申し込み、ご質問等はこちらのアドレスにご連絡ください。
vinclosy@aol.com

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