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ワインコラム 第98回 オーストラリアの話 ピエロ編

いろいろなワイン産地を巡ると、特に印象に強く残る産地もあれば、その逆の産地もあります。

 

ワインも同様で、ふとした瞬間に思いだし、また飲みたいな、という衝動に駆られるワインがあります。

 

訪問したワイン産地の中で、オーストラリアAustraliaの各地はそれぞれ印象深く、同時に非常に魅力的なワインも少なからずありました。

 

今回は、そのような魅力的なワインを産する、西オーストラリア州、マーガレット・リヴァーMagaret River地区のワイナリー、ピエロPierroをご紹介いたします。

 

西オーストラリア州を回ったお話はこのワインコラム第24回に綴ってあります。西オーストラリア州の雰囲気などは第24回のコラムをご覧ください。ピエロについても少し触れております。

 

さて、ピエロですが、1980年に、知的なマイケル・ペターキン氏が創立した、マーガレット・リヴァーを代表するワイナリーのひとつです。覚えやすい名前、印象的なラベルは、ペターキン氏が銀行に融資を申し込みに行った時の行員の困った顔がモデルと言われています。医師であるペターキン氏から突然このような相談を受け、困る行員の気持ちもわかる気がします...(笑)

 

ワインは、複数のキュヴェを造っています。特にシャルドネの評価が高いことで知られています。

 

私が訪問したのは2008年の2月上旬。畑には収穫を迎えるぶどうが健全に実っていました。

 

海から3kmほどの場所に位置するこのワイナリーでは、シャルドネの他にセミヨン、ソーヴィニヨン・ブラン、カベルネ・ソーヴィニヨン、メルロ、シラーズ、ピノ・ノワール等が栽培されています。

Pierro P.N. ピエロのピノ・ノワール 

海洋性の、ボルドーに近いと言われる気候のもと、ピノ・ノワールを栽培しているワイナリーは多くありません。この辺りで、ピノ・ノワールで有名なのは、やや南に下った産地、ペンバートンPembertonのピカーディPicardyくらいでしょうか。

 

ピカーディもピエロも、ブルゴーニュとは異なるスタイルですが、上質なピノ・ノワールを造っています。

 

ぶどう栽培はうねりのある丘陵地で行われ、灌漑をするにも考え抜かれた独自の技術を取り入れています。醸造は、例えばシャルドネの熟成にバトナージュを行うなど、ブルゴーニュ風の様式も取り入れています。

 Pierro3 醸造所内部の様子

このワイナリーは、ファイアー・ガリー・ヴィンヤードFire Gully Vineyardのぶどうから造るワインを、Fire Gullyとしてピエロとは別ブランドで販売しています。ラベルにはファイアー・ガリーを表す「火谷」と漢字で書かれています。これは、太極拳を行っているペターキン氏のアイデアだとか。

 

素晴らしいワインを生みだすオーストラリア。その最西端に位置するピエロのワイン、一度試す価値があると思います!

 

Clos Yは、5月16日のレストラン講座のテーマを「半年に一度の豪華版」とし、上質なワインと料理のマリアージュをお楽しみ頂きます。希少なピエロのピノ・ノワールも登場します!ご興味のある方はご連絡ください。

 

 

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vinclosy@aol.com

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