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ワイン・コラム 第157回 ロワール地方の話 トゥール・グリーズ編

強く印象に残っているスパークリング・ワインの中で、初めて口にしたクリュッグKrugやシュラムスバーグのJ シュラムJ. Schram、ジュリアン・メイエJulien Meyerのブリュット・ゼロなどに並び、アンジュAnjouのワインがあります。

A.O.C.アンジュのスパークリング・ワインなどそれ以来見たことがありませんが、それは2004年、ボルドーに住んでいる時に、近くの大きなスーパーの片隅で見つけた、確か4ユーロほどのものでした。樽熟成をしたのかと思うほどロースト香が強く、印象はまるでクリュッグ。その時の驚きは今も色褪せていません。
Anjou - コピー

そんな規格外のワインを生みだす可能性を秘めたロワール地方。今回はトゥール・グリーズTour Griseという生産者をご紹介いたします。

居を構えるのはル・ピュイ・ノートル・ダムLe Puy Notre Dame。アペラシオンはソーミュールSaumurです。
Saumur 地図 Saumur付近地図。

このアペラシオンで注目すべきトップ生産者のひとりです。日本での知名度は依然高くありませんが、フランスでは高い評価を得ています。

私がこのドメーヌを訪問させて頂いたのは2005年の3月でした。静かな村を、他所者のように感じながら行きましたが、出迎えてくださった当主はホスピタリティにあふれ、少し離れた畑やカーヴなど丁寧に案内してくださいました。

畑はこの通り。
Tour Grise 樹

土壌は石灰質が強く、ワインにはミネラル感が強く現れます。

この生産者で特筆すべき点は、栽培にビオディナミを採用しているなどありますが、長期熟成を経てからワインを出荷するというところがあります。

若いヴィンテージもあるものの、10年以上熟成したものが大半を占めています。世界的に見ても稀な生産者と言えるでしょう。実際、今日本で流通しているソーミュール・ブリュットSaumur Brutは2002年という有様です。それがお手頃な価格なのですから、感心させられます。知っておくべき生産者ですね。

ドメーヌでカベルネ・フランの赤ワインを購入し、当時働いていたボルドーのビストロ・デュ・ソムリエBistro du Sommelierのスタッフとお昼の賄いの時にテイスティングしました。

ロワールのカベルネ・フランは日本ではあまり受けが良くないですが、トゥール・グリーズのカベルネ・フランはビストロ・デュ・ソムリエで好評でした。飲み手の嗜好の違いか、トゥール・グリーズの品質が高かったのか...

今考えるとどちらも当てはまると思います。

トゥール・グリーズ、未経験の方は一度経験して頂く価値があると思います。

Clos Yは7月16日のレストラン講座のテーマを「ロワール」とし、上質なロワールのワインをそれに合わせた特別料理とお楽しみ頂きます。幕開けはトゥール・グリーズのスパークリング・ワイン2002です!ご興味がございましたらご連絡ください。

講座へのお申し込み、ご質問等はこちらのアドレスにご連絡ください。
vinclosy@aol.com

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