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ワインコラム 第91回 食材の話 ジビエ 青首鴨(コル・ヴェール)編

今回は、少しワインから離れて、食材のお話です。

 

秋から冬にかけて、レストランのメニューを賑わすジビエGibier。鹿、猪など、野生の動物を狩って手に入れた食材です。

 

私は個人的に野兎Lièvre(の煮込みà la royal)が好きですが、人気のあるのは鴨類でしょうか。

 

中でも青首鴨コル・ヴェールCol-vertは、野鴨を代表する鴨として人気を博しています。

 

一言で鴨と言っても、世界にはいろいろな種類があります。ジビエではなく、飼育鴨だけ見てもバルバリーBarbarie、家鴨(あひる)、合鴨(あいがも)などがあり、ジビエでは軽鴨(かるがも)、小鴨(こがも)など、さらにドゥミ・ソヴァージュ(半野生。短期間飼育した後に自然に放ったもの)で最高級とされるシャラン鴨Canard Challandaisなど...

 

いずれも食用としては、赤身の肉で、共通した特徴がありますが、味わいはそれぞれ微妙に異なっています。

 

コル・ヴェール(=青い首)は、雄の頭部が緑色をしていることに由来している呼び名です。正式名称は「真鴨」と言います。きれいな緑色の首を持つのは雄だけで、雌は全体が褐色で、鮮やかな緑色は見られません。

 

コル・ヴェールの肉は、飼育鴨と比較すると赤みが強く、独特の風味を持っています。特に雌は皮下脂肪が厚く、濃厚な風味を持っています。まさに、ジビエの醍醐味を楽しめる食材で、人気があります。

 

合わせるワインを考えてみますと(とても楽しいです!)、真っ先に挙がるのはブルゴーニュのピノ・ノワールでしょう。一般的な鴨でしたらヴィラージュ・クラスのワインやブルゴーニュA.C.クラスのものでも楽しめると思いますが、せっかくのコル・ヴェールですから、プルミエ・クリュ以上のワインと合わせたいところです。特に、ジューシーに焼き上げて、サルミ・ソースsauce salmis (がらと香味野菜を焼き、ワインとフォンを加えて煮詰め、がらのエキスを抽出したソース。)を添えて仕上げた極上の一皿には、グラン・クリュの出番でしょう!

 

北ローヌのエレガントかつ力強いシラーSyrahも好相性だと思います。上質なバローロBaroloも候補として挙がります...イメージとしては、繊細でいながら力強さを持った、香り高い赤ワインです。熟成した極上のロワールのカベルネ・フラン(クロ・ルジャールClos Rougeardなど)も最高だと思います。

 

考えていたらお腹が減ってきてしまいました(笑)。

 

コル・ヴェールを含むジビエは、一年の中で食べられる時期が限られています。今はジビエのとても良い季節です。是非、ジビエを食べに出かけてみてはいかがでしょうか?

 

 

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