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ワインコラム 第74回 ワイナリーの話 ベガ・シシリア編

東北地方太平洋沖地震の被害についての情報は、世界中に知れ渡っているようです。

 

世界各国から様々な形で支援がありますが、海外のワイナリーの中にも、日本での売り上げを義援金として寄付するなどして支援活動を行うところも出てきました。大変ありがたいことですね。

 

スペインを代表するワイナリーのひとつ、ベガ・シシリアVega Siciliaも義援金活動を行ってくださっています。日本市場で販売する同社のワインの4月以降の売り上げ全てを、日本赤十字社に寄付することを決めたようです。

 

ベガ・シシリアと言えば、スペインでトップクラスの赤ワイン、ウニコUnicoで知られています。ウニコとはユニークという意味ですが、その名の通り、他に類を見ない個性的なワインです。

 

まず、産地ですが、スペインの首都マドリッドの北部、リベラ・デル・ドゥエロRibera del Duero地区に位置しています。ティント・フィノTinto Fino(リベラ・デル・ドゥエロ地区におけるテンプラニーリョTempranilloの別名)を用いた長期熟成型のワイン産地として知られており、ベガ・シシリア社のほかにも上質なワインを造る造り手が集まる注目の土地です。

 

ウニコの特筆すべき点は、その熟成にあります。アルコール発酵後、ワインは大きな樽に入れられ、1年ほど過ごします。その後小さな新しい樽に移し2年、次は古い樽に移し替えて4年。なんと7もの年月を樽で過ごすのです!

 

これはワインとしては考えられない長さです。例えば、長期熟成型のボルドーの格付けシャトーでも平均18ヵ月。熟成を長く取るシャトーでも24ヵ月ほどですから、7年という年月がいかに長いかわかるでしょう。これほど長い間、密閉容器ではない木の樽に入れておくと、普通はワインが酸化してしまうのですが、そうならないのは原料となるぶどうがしっかりしている証拠でしょう。

 

さらに、ワインは瓶に移されて2年の熟成を経て、初めて出荷準備が整います。まさに驚異的なワインですね!

 

ウニコのさらに面白い点は、ヴィンテージ入りのキュヴェとヴィンテージ無しのキュヴェがあることです。ヴィンテージ入りのものはそのヴィンテージのぶどうを原料としていますが、ヴィンテージ無しのものは複数年のウニコをブレンドして造られています。ヴィンテージ無しのほうが上級キュヴェとして位置づけられていることがまた面白いですね。

 

気軽に楽しめるワインではありませんが、ワイン愛好家としては一生に一度は試してみたいワインだと思います。売り上げが義援金として寄付される今、試してみるのも良いのではないでしょうか?

 

 

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