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ワインコラム 第50回 イタリア シチリア編

シチリアSiciliaと聞いて、何を思い浮かべますか?

 

熱い南の島、ゴッド・ファーザー、おいしい海の幸...

 

いろいろあると思います。

 

今回はシチリアのお話です。

 

シチリアは地中海最大の島で、イタリア最大の州でもあります。内陸部はごつごつした岩山があり、島の北東部にはエトナEtna火山があります。

 

私がこの島を訪れたのは2008年の10月でした。日本では秋ですが、シチリアの太陽が熱かったことを覚えています。南の島らしく、サボテンが生えていて、花を咲かせていました。

Palermo3 市場ではサボテンの実(一番手前)も売られています。 

州都であるパレルモPalermoに着いた私は、車を借りて島内のワイン産地を回りました。

Palermo パレルモの風景

Palermo無秩序交差点 パレルモの大きな交差点。信号がなく、非常に危険です。 

まずはパレルモの南西にあるマルサラMarsalaに向かいました。シチリアで生産されているワインは多彩で、辛口の白ワイン、赤ワインだけでなく、甘口の白ワインや酒精強化ワイン(ブランデーを添加して造られるワイン。シェリー、ポート、マデイラなどが有名。)まであります。マルサラは世界的に知られている酒精強化ワインで、このマルサラの町周辺のぶどう畑で収穫されるぶどうから造られています。

Marsala マルサラの大手、フローリオ社。 

海に面した町自体はそれほど大きくなく、活気に満ちた様子には見えませんでした。優れたマルサラは世界の頂点の一角を占めることができるほどの偉大なワインになり得るのに、衰退していく様子を見るのは寂しいものです。

 

続いて私はメンフィMenfiに向かい、プラネタPlaneta社を訪れました。

Planeta2 南らしい雰囲気が漂うプラネタ社のワイナリー。

同社はシチリアを代表するワイナリーのひとつで、白、赤、甘口と高品質なワインを造っています。ワイン造りに対する哲学を聞かせて頂き、醸造所を見学させて頂きました。醸造所の内部は清潔に保たれており、最新の設備も導入され、優れたワインを造り続けていることに納得しました。シャルドネなどの国際品種で有名になりましたが、チェラスオーロ・ディ・ヴィットーリアCerasuolo di Vittoriaなど、シチリア独自のぶどう品種を使ったワインにやはり私は心ひかれます。

Vittoria ヴィットーリアの町。 

この日は島の南東に位置するラグーザ・イブラRagusa Iblaに泊まりました。やや内陸部の標高の高いところにあるこの町は世界遺産に登録されており、町全体が独特の雰囲気を持っています。くねくねと山道を登らないといけないのですが、この町にはイタリア版ミシュラン・ガイドでひとつ星に輝くレストランもあります。私は世界遺産の町よりも、レストラン目当てで行きました(笑)。

 

夜はそのロカンダ・ドン・セラフィーノLocanda Don Serafinoでコース料理を食べました。

 

まずは希少な上質オリーヴ・オイルとパンが出てきます。フランスのレストランとイタリアのリストランテでは、パンそのものも違いますが、パンにバターをつけるかオリーヴ・オイルをつけるかが異なりますね。フレンチのほうに慣れている私はオリーヴ・オイルが出されると「イタリアンだな」と認識させられます。

 

上質なバターには感動させられますが、上質なオリーヴ・オイルもいいですね!オリーヴにも品種があり、オリーヴが育った土地(テロワール)を表現しているところがワインに似ていると思います。

 

まぐろのタルタルが出て、次に温製の魚のミルフィーユ、肉が乗ったなすのフラン、パスタと続きます。もちもちとした食感のフェットチーネは最高でした!

 

メインはまぐろでした。シチリアではまぐろ漁が盛んなようですね。やはり島だけあって、このコースを見ても魚を使った料理が多いようです。まぐろはミ・キュイ(外側のみ火を通して、中は生の状態)で仕上げてあり、ソースはこの島唯一のD.O.C.G.格付けのワイン、チェラスオーロ・ディ・ヴィットーリアを使ったものでした。食べてみると、予想に反してソースが甘い!私個人の意見ですが、ちょっといまいち、でした...

Ragusa Ible4 残念な?まぐろ 

デザートはクリーム状のガトーとクレーム・ブリュレのようなもので、おいしくいただきました。

 

ワインはもちろん(?!)チェラスオーロ・ディ・ヴィットーリアを選びました。1本でコースを通しましたが、南のワインにしては酸味がしっかりしており、エレガントな印象で、料理と良く合っていました。

 

様々な文化が融合した不思議なこの不思議な島に、独特の個性があるワインが生まれるのは驚くことではないようですね。極上ワインが少なからずありますので、今後も講座で紹介していきたいと思っています。

 

Clos Yでは、5月9日(日曜日)のランチ講座のテーマをイタリアとし、イタリア各州のワインをご紹介いたします。上質なスパークリング・ワインD.O.C.G.フランチャコルタFranciacorta、世界遺産に指定されている珍しいD.O.C.チンクエ・テッレCinque Terre、シチリアのD.O.C.G.チェラスオーロ・ディ・ヴィットーリアCerasuolo di Vittoriaをお食事とともにお楽しみいただきます。ご興味のある方はご連絡ください。

 

 

コラム50回記念!

コラムに関する感想をメールしてくださった先着3名様に、特別出張講座をプレゼントいたします。ご希望の場所で、ご希望のテーマについて約60分の講義(ワインのテイスティングは含みませんが、ご希望の場合はご相談ください。)を無料(交通費について、講義を行う場所が都内の場合は講師の交通費はClos Yが負担します。都内以外の場合は講師の交通費の実費を頂きます。受講者の交通費はご自身でご負担ください。)で行います。ワインに関する知識を深めるチャンスですよ!

 

まずはコラムに関する感想(今後このようなコラムが読みたい、もっと見やすくしてほしい、ボリュームが多い、少ないなど、なんでも)をメールください。

vinclosy@aol.com

 

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