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ワインコラム 第33回 ボルドー マルゴーの話

世界屈指のワイン産地、ボルドーBordeaux。中でも最も有名な産地として、メドックMédoc地区のマルゴーMargaux村があります。

 

私がこの村を初めて訪れたのは、20009月のことでした。当時私は学生で、フランス北東部、フランシュ・コンテ地方のブザンソンという町に留学をしていました。フランスの学校は夏休みがとても長く、6789月は完全に授業がありませんでした。今考えると素晴らしいですね!

 

私は9月の1ヶ月間、ボルドー大学の短期語学学校に申し込みました。1ヶ月だけのボルドー生活の始まりです。

 

考えてみると、私が真剣にワインの勉強を始めたのはこのころでした。ワインに対する情熱が燃え盛っていましたので、オプションで申し込みできるワイン講座に迷わず申し込んで、どきどきしながら授業を受けていたものです。

 

マルゴーを訪れたのは、そんなボルドー暮らしのときのことです。ボルドーの駅から、電車でマルゴー村まで行くことができます。もっとも、電車は1日に23本しかなかったと思います。

 

友人と3人で、初めてマルゴー村に降り立った時の正直な感想は、「何もない!」でした。マルゴーといえばシャトー・マルゴーChâteau Margauxを始め多くの有名シャトーがあります。そんなシャトー群が林立していると思ったのですが...ひとまず歩いてみることにしました。

 

駅は村の外れにあり、しばらく歩くとシャトーが現れてきます。まず最初に出くわしたのは、シャトー・ラスコンブChâteau Lascombesでした。1855年の格付けで、栄えある第2級に選ばれたシャトーです。恐る恐る敷地に足を踏み入れ、受付に行ってみると、なんと見学可能とのこと!アポなしだったため詳しい訪問はできませんでしたが、樽熟成庫などを見せてもらいました。

 

シャトー・ラスコンブは2001年からオーナーが替わり、ラベルも変わりました。なにより、ワインの品質が格段に上がっています。私の大好きなシャトーのひとつです!

 

さて、シャトー・ラスコンブを出てしばらく歩くと、マルゴー村の中心部に出ました。23軒のワイン屋さんや小さな郵便局、レストランなどがあります。私たちは、せっかくマルゴーまで来たので、絶対にシャトー・マルゴーを見たい!と思っていたのですが、いまひとつどこにあるかわかりません...

 

少し離れたところに、木に囲まれた美しいシャトーが見えます。そこまで歩こう!となりました。近くに見えても、一面ぶどう畑の土地を歩くと、けっこうな距離があるのですね。疲れてようやくたどり着くと、そこは残念ながらシャトー・マルゴーではありませんでした...しかしここまで来たのだから、訪問させてもらおうと敷地に足を踏み入れると...大型の犬に襲われました!鞄に噛みつかれ、離れません。しばらくするとシャトーの人(飼い主さん)が出てきて止めさせてくれましたが、いやあ怖かったです。話を聞くと大きいながらもまだ子供で、じゃれていたようです。まあ、無断で侵入した私たちが悪いんですけどね。ちなみにその犬の名前は「ペプシ」でした...(コーラか!)

 

さて、また私たちはシャトー・マルゴーを目指して歩き続けます。畑を横切り、ちょっとした草原に出ました。小さな川が流れています。若さゆえに無意味に川を飛び越えてたどり着いたのが...なんとシャトー・マルゴーでした!

 

ふつうはシャトー正面の、美しい並木道から入るのですが、このように裏手から入った人は少ないでしょうね。内部の見学はできませんでしたが、美しいシャトーを間近に見られてよい思い出になりました(通常は、シャトーはいつも門が閉まっていて入れません。)。

marg シャトー・マルゴーの並木道

 

margaux-chateau シャトー・マルゴーのシャトー

 

秋の夜長、エレガントなマルゴーを飲みながら過ごす日があっても素敵ですね。

 

 

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