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ワイン・コラム 第124回 ぶどう品種の話 パロミノ編

シェリー。世界三大酒精強化ワインのひとつです。ワインにあまり興味が無い方でも、口にする機会があるのではないでしょうか。シェリー・ビネガーのように、調味料に姿を変えているものもあります。

 

スペイン南部、アンダルシア地方、ヘレスJerez(ヘレス・デ・ラ・フロンテラJerez de la Fronteraの町の周辺で造られるワインで、スペインではヘレスと呼ばれています。日本ではその英語での呼び名であるシェリーが定着しています。

 

シェリー自体は世界的に有名でも、その原料であるぶどう品種はあまり知られていないと思います。

 

ペドロ・ヒメネスPedro XimenezやモスカテルMoscatelなどの例外がありますが、シェリーのほとんどはパロミノPalominoという白ぶどうからできています。

 

シェリーは世界中で愛されていますが、パロミノはシェリーの原料以外であまり見かけることがありません。

 

パロミノの原産地はほぼ確実にアンダルシア地方とされています。パロミノの栽培は、暖かく乾燥した気候に適しており、その果汁には糖分と酸味が少ないという特徴があります。このため、一般的なワインに醸造してもとても上質なワインになることは難しいのですが、「アルバリサalbariza」という土壌で栽培されるパロミノからは上質なシェリーが生まれます。

 

アルバリサはヘレス・デ・ラ・フロンテラJerez de la Frontera、サンルカール・デ・バラメーダSanlúcar de Barramedaエル・プエルト・デ・サンタ・マリアEl Puerto de Santa Mariaの3つの町の間に見られる真っ白な土壌で、石灰の含有量が多く高い保水性を備えています。

 

このアルバリサ土壌で栽培されたパロミノのぶどうは特に上質とされ、その果汁から造られるシェリーは世界屈指の偉大なワインになる可能性を秘めています。

Jerez畑 Jerezの畑。 

実際、シェリーは世界的に見てもコスト・パフォーマンスの高い、素晴らしいワインだと思います。

 

すっきりした辛口タイプのフィノFinoから、重厚で余韻がとてもとても長いオロロソOlorosoまで、シェリーというひとつのワインでありながら世界でも類を見ないバラエティの広さがあります。

 

フィノは良く冷やして、タパス全般と楽しむことができると思います。鰯のマリネなど、一般的なワインと合わせることが難しい料理とも相性が良いです。オロロソは世界的に見ても最も余韻の長いワインのひとつと言えるでしょう。ソレラ・システムと言う独自の熟成方法により、長い樽熟期間を経たワインも含まれるこのワインは、酸化熟成により複雑な風味を備えています。しばしば紹興酒のフレイヴァーとの共通点も指摘されますが、このような重厚なワインは煮込んだ肉料理や濃厚な中華料理と合わせても楽しむことができると思います。

 

このような多彩なワインを生みだすパロミノ。注目されることは少ないですが、覚えておいて損は無いぶどう品種のひとつだと思います。

 

Clos Yは4月24日のレストラン講座のテーマを「シェリー~知られざる真価~」とし、5種類のシェリーをそれに合わせた料理と共にお楽しみ頂きます。中には最低でも30年以上の熟成を経たワインで構成される希少なシェリーも含まれております。ご興味がございましたら是非ご参加ください。

 

 

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