Home > Clos Y | ワインを愉しむ | ワインコラム > ワイン・コラム 第116回 ボルドー地方の話 デュクリュ・ボーカイユ編

ワイン・コラム 第116回 ボルドー地方の話 デュクリュ・ボーカイユ編

ワイン。伝統的なワイン産出国においては、生活の必需品としている人もいますが、このコラムを読んでくださっているような、多くの日本人にとっては嗜好品の部類に入るものでしょう。
 

嗜好品としてワインを見ると、いろいろな楽しみ方があります。ただ黙々とワインだけを楽しんでも良いですし、歴史ある生産者や畑が持つ物語に思いを馳せたり、料理と合わせたり、ワイン好きな人と意見を交換したり...

 

ワインは嗅覚や味覚を楽しませてくれるものですが、その美しい色合いによって視覚も楽しませてくれます。視覚の楽しみと言えば、美しいボトルやラベルもその一つと言えるでしょう。

 

実際、よほどのワイン愛好家でなければ(いや、よほどのワイン愛好家でさえも?!)、ほとんど同じ条件、もしくは素性のわからないワインが2種類目の前にあって、どちらかを選ぶ場合、美しいラベルが貼られている方のワインを選ぶのではないでしょうか。

 

私はあまりラベルの美しさだけでワインを選ぶことはありませんが、中身がとても良くてもデザインが「...」なものは少し残念に思いますし、世界的に見るとイタリアのラベルのデザインに秀逸なものが多いと思い、楽しく感じます。

 

前置きが長くなってしまいましたが、今回ご紹介するボルドーのシャトー・デュクリュ・ボーカイユChâteau Ducru Beaucaillouのラベルは、私が個人的に大好きなもののひとつです。

 

このシャトー、目を引く黄色と金色のラベルも素晴らしいですが、それ以上にワインの品質が充実しています。

 

シャトーはサン・ジュリアン・ベイシュヴェルSaint-Julien-Beychevelleに位置しています。ボルドーの町から北上してくる場合、マルゴーMargaux村を通り抜けて、サン・ジュリアンのシャトーとしてはまず美しいシャトー・ベイシュヴェルが姿を現します。シャトー・デュクリュ・ボーカイユはそのすぐ先にあります。ジロンド川のすぐそばで、「美しい小石」という名のままに、砂利質の土壌の素晴らしい畑を約75ha所有しています。

 

メドック地区では、川に近い畑は素晴らしい資質があるとされています。実際、その名を轟かす極上シャトーの多くは川沿いの畑を所有しています。

 

シャトー・デュクリュ・ボーカイユのぶどうは全て人の手で収穫され、区画ごとに醸造されます。ロットが多くなり管理が大変ですが、その分細部にこだわって最終的に上質なブレンドをすることができるようになります。

 

このシャトーが造るグラン・ヴァン、シャトー・デュクリュ・ボーカイユの品質が高いのはもちろん、セカンド・ワインのラ・クロワ・ド・ボーカイユLa Croix de Beaucaillouの品質の高さも特筆すべき点です。樹齢10年以下の若い樹のぶどうと、グラン・ヴァンに及ばない品質の(しかし、グラン・ヴァンに用いられるはずで、同じ手間暇をかけて造られた)ワインがブレンドされます。セカンド・ワインの品質にも満たないワインはネゴシアンに売られますので、セカンド・ワインの質も高く保たれているわけです。

 

シャトーを訪問すると、ワインのテイスティングが最後に行われるのですが、このシャトーの試飲ルームに通されて驚きました。壁が一面黄色いのです!私が訪問させていただいたワイナリーの中で、最も派手な試飲ルームだったかもしれません(笑)

 

その豪華な内容と美しいラベルから、正月に飲みたいワイン、という気がします。もうすぐ新年を迎えます。2013年最初のワインが決まっていない方は、デュクリュ・ボーカイユも良いのではないでしょうか。

 

Clos Yは1月14日のレストラン講座シャトー・デュクリュ・ボーカイユの1966(良い年です!)に登場して頂く予定です。現行のラベルと全く違っていて面白いです。ご興味のある方はご連絡ください。

 

 

このコラムを読まれて、ご意見・ご感想がございましたら下記メールアドレスまでご連絡ください。

vinclosy@aol.com

Home > Clos Y | ワインを愉しむ | ワインコラム > ワイン・コラム 第116回 ボルドー地方の話 デュクリュ・ボーカイユ編

サイト内検索
Feeds
Meta

Return to page top