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ワインコラム 第69回 南西地方の話 ガイヤック編

ガイヤックGaillacというワイン産地をご存知でしょうか?

 

フランス南西地方、トゥールーズToulouseの北東に位置しています。産するワインはロゼスパークリングと多様で、さらに白ワインは辛口甘口も認められています。これほど多くのタイプのワインが認められているアペラシオンは、ワイン王国フランスの中でも珍しいものです。

 

土地は、緩やかな丘が続いており、2005年に訪問した時は、自然が残る「何もない田舎」という印象でした。

 

しかし、この土地でも偉大なワインが生まれています!

 

訪問させていただいたのは、ドメーヌ・ラ・クロワ・デ・マルシャンDomaine La Croix des Marchands

Gaillac

発酵温度を管理できる現代的なステンレス・タンクを導入し、果実味のある上質なワインを造っています。

Gaillac vigne ガイヤックの畑。

特筆すべきなのは、オーナーが共同で所有するシャトー・パルヴィエChâteau Palviéの、レ・スクレ・デュ・シャトー・パルヴィエLes Secrets du Château Palviéです。ガイヤックでは、黒ぶどうのデュラDuras、白ぶどうのモーザックMauzacなど地場品種が活躍しておりますが、この赤ワインはシラーSyrah100%で造られています。ブラック・ベリーなど黒系果実、カンゾウ、丁子、シガー、スー・ボワなど複雑な香りがあり、果実味、酸味ともにしっかりしていてボリュームがあります。私はローヌ地方北部の上質ワインであるコルナスCornasを連想させられました。

 

また、同じレ・スクレ・デュ・シャトー・パルヴィエの甘口白ワインも素晴らしかったです。非常に滑らかな口当たりで、濃縮感があり、世界的に見ても高い水準にある甘口ワインでした。

 

シャトー・パルヴィエのレ・スクレ・デュ・シャトー・パルヴィエは同シャトーのトップ・キュヴェで、濃縮感があり、素晴らしく上質で価格も一番高いのですが、その品質を考えると非常にコスト・パフォーマンスが高いと言えます。これも知名度がそれほど高くない産地のワインだからなのでしょう。

 

一般的なガイヤックは、赤も白も早飲み用のものが多く、シンプルな構成をしています。しかし、近年パルヴィエのような高品質ワインを目指す造り手が増えてきており、注目に値する産地になりつつあります。

 

ガイヤックの上質なワインの造り手は小規模のため生産量が多くなく、日本に入ってくる量はごくわずかなのですが、見つけられたら是非試してみてください。ちょっと冒険をする価値はあると思います!

 

Clos Yでは、3月6日のレストラン講座で、ガイヤックの素晴らしい甘口ワインをご紹介いたします。ご興味のある方はご連絡ください。

 

 

このコラムを読まれて、ご意見・ご感想がございましたら下記メールアドレスまでご連絡ください。

vinclosy@aol.com

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