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ワインコラム 第53回 ブルゴーニュ地方の話 ジヴリー編

「好きなワイン産地は?」と聞かれて困った経験のあるワイン愛好家は多いでしょう。私もそのひとりで、何と答えたらよいのか迷ってしまいます。ボルドーは好きですし、シャンパーニュも素晴らしい。ローヌも外せないし、イタリアも魅力的、オーストラリアも...正直、きりがないです(笑)

 

しかし、どうしても外せないワイン産地として、ブルゴーニュBourgogneがあります。

 

ブルゴーニュのワインと、ブルゴーニュ、特にボーヌBeauneの町の雰囲気が好きで、一度住んでみたい!と憧れていました。

 

2005年に、その夢を叶えることになりました!ワインの勉強を目的に、3ヵ月間ボーヌに滞在し、北から南までブルゴーニュの村を、一日一村、ワインの地図を手に畑を歩いて回りました。

 

シャブリChablisのミネラル感、シャンボールChambolleの優雅さ、ポマールPommardの力強さ...

 

村ごとに異なる個性があり、どれも魅力的ですが、有名な村のワインは高価で、日常的に楽しめるものではありません。

 

今回ご紹介するジヴリーGivryは、赤、白を産し、いずれも高品質で、しかもワインのコストパフォーマンスが高いという素晴らしい村です。

 

ジヴリーが位置するのは、コート・シャロネーズCôte Chalonnaiseというそれほど注目されていない地区です。ボーヌのほうから来ると、3つ星レストラン ラムロワーズLameloiseがあるシャニーChagnyを経て南へ下ります。ブズロンBouzeronリュリーRullyメルキュレイMercureyといったアペラシオンを持つ村を右手に見ながら走っていくと、ジヴリーの村に到着します。

 

ワイン産地として、黒ぶどうの畑が約200ha、白ぶどうの畑が約40haと小さく、生産量も少ないため、ワインはあまり流通していません。

 

しかし、この村のワイン産地としてのポテンシャルは、畑を見れば一目でわかります!村の西側に広がる斜面の美しいこと!日当たり、排水の良さに恵まれ、いかにも良いぶどうがなりそうです。畑、特にプルミエ・クリュは良く手入れされていて、村全体のワイン造りに対する意識が高いことを伺わせます。

Givry 1er Cellier aux Moines プルミエ・クリュの畑

Givry 1er Clos Jus 優れたテロワールを感じさせる。 

私は2つのドメーヌを訪問しました。ひとつはクロ・サロモンClos Salomonというプルミエ・クリュをモノポールで所有している、ドメーヌ・デュ・クロ・サロモンDomaine du Clos Salomon、もうひとつはフランソワ・ランプFrançois Lumppです。

 

どちらも同じジヴリー、ジヴリー・プルミエ・クリュというアペラシオンのワインを造っていますが、ワインのスタイルが異なります。しかし果実味の安定感とミネラル感に共通の要素が感じられました。おいしくて、品格のあるワインに必要不可欠なものがきちんとあるわけです。特に、フランソワ・ランプのワインには感動しました。その後訪れたラムロワーズで飲んだジブリー・プルミエ・クリュ・クロ・ジュ赤Givry 1er Cru Clos Jusの素晴らしさは今でも忘れることができません...

 

ジヴリーは日本ではあまり見かけませんが、それほど入手困難というわけでもありません。大手生産者のものでも良い品質だと思いますので、見かけたら試してみてください。きっと気に入ると思いますよ!

 

 

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